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「色欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
きょうまん》、二に憤怒《ふんぬ》、三に嫉妬《しっと》、四に貪望《とんもう》、五に色欲、六に餮饕《てっとう》、七に懈怠《けたい》、一つとして堕獄の悪趣たらざるもの....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
あったのは、ただこう云う一事だけです。これはあなた方の思うように、卑《いや》しい色欲ではありません。もしその時色欲のほかに、何も望みがなかったとすれば、わたしは....
飛行機から墜ちるまで」より 著者:吉行エイスケ
をもって、皮膚は荒れて赤らんで堅固な体躯をしていた。 ――君の名は? と、僕が色欲のダリアに向って聞いた。 ――妾《わたし》、貴男の情婦、夜のボップよ。 ....
骨董」より 著者:幸田露伴
明を味わわしめ、それからまた古人とは異なった文明を開拓させるに至るのである。食欲色欲ばかりで生きている人間は、まだ犬猫なみの人間で、それらに満足し、若くはそれら....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
さる法印の弟子となって、厳密な修業をつけさせられていたが、持って生れた根性から、色欲二道にふみはずし、搏《う》つわ、飲むわ――博徒《ばくと》の仲間にはいって、人....
東京ロマンティック恋愛記」より 著者:吉行エイスケ
て、ジャズの音が激しく、光芒のなかで、歔欷くように、或は、猥雑な顫律を漾わせて、色欲のテープを、女郎ぐものように吐き出した。 そして、縹緻よしの踊子は、たえま....
青年」より 著者:森鴎外
ゲルの論は残酷を極めているのです。女には恋愛というようなものはない。娼妓の型には色欲がある。母の型には繁殖の欲があるに過ぎない。恋愛の対象というものは、凡て男子....
獄中記」より 著者:大杉栄
そうでなくても翌朝起きてからきっと下痢をする。まるで嘘のような話だ。 しからば色欲の方はどうかと言うに、これまたすこぶる妙だ。先きの東京監獄や巣鴨監獄では時々....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
覚えたのでしょう。 この闖入者は、食に飢えたのではない、眠りに飢えているのだ。色欲よりは食欲、食欲よりは睡眠欲が、人間に堪え難いと聞いた。 自分の寝床へもぐ....
」より 著者:豊島与志雄
の吝嗇は、遂には黄金崇拝となる。或る種の名誉心は、遂には勲章崇拝となる。或る種の色欲は、遂には肉体渇仰となる。種々の感情や欲望も、極端に詮じつめれば、単なる唯物....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。彼は若い、と彼はいう――ときに三十四歳だった――そして彼は「その若さを放埓と、色欲と、不浄に投げ与えました」 かつて「傲慢と虚栄と、世俗の快楽に思い上がった私....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
に正当な嫁の貰えるようにするのがほんとで、煙筒を立ててその下に集まってくる職工の色欲を充たさんがために、女郎屋商売するというような浅ましい量見は持つものではない....
澪標」より 著者:外村繁
、思わず顔が真赤になる。淑子の顔も、美保子の顔も同じく赤くなったかも知れぬ。私は色欲の厭らしさを痛感する。 八月、私は旅行に出た。「藤村詩集」などの影響から、....
山の人生」より 著者:柳田国男
とは、いわゆる御産立の神事が年を隔てて稀に行われていたのを見ても察せられる。狼は色欲の至って薄い獣だという説もあり或いはこの獣の交るを見た者は、災があるという説....
紅梅の客」より 著者:吉川英治
、四の友達とただ一ト回り歩いて帰るだけでもたのしかった。 あの中には人間の悪と色欲とを昇華させて、たんにそれだけでも何かの思いに浸させる吉原一廓の煩悩芸術が三....