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色眼鏡
「色眼鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色眼鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
乗って通った人の顔を見たかい。」と、妙な事を尋ねるのです。「見たよ。痩せた、黒い
色眼鏡をかけている男だろう。」――新蔵はいぶかしそうにこう云いながら、またさっさ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
そうしたのです。それを皆様は、なにもかも人気のためだと、お片づけになるのですわ。
色眼鏡でごらんになるのですわ。あなたもきっとそうでしょうね?」 そう言って、彼....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
側に位するところの明治昼夜銀行目黒支店だったのである。――頭髪を短かく刈りこみ、
色眼鏡をかけた目黒支店長は、屋台寿司の出てくる薄暗い横丁で大袈裟に驚きの様子を現....
「蠅男」より 著者:海野十三
人ですか」 と、帆村は帳場にたずねた。 「そうですなア、とにかく顔の青い大きな
色眼鏡をかけた人だす。風邪ひいとる云うてだしたが、引きずるようなブカブカの長いオ....
「春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
れから人夫の中に雪の山を歩かないものがくる時は、手袋その他の注意をせねばならぬ。
色眼鏡も余分にもって行き、万事に注意しないと、一人の故障のために思わぬことができ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
かえりに区役所前の古道具屋で、青磁の香炉を一つ見つけて、いくらだと云ったら、
色眼鏡をかけた亭主が開闢以来のふくれっ面をして、こちらは十円と云った。誰がそんな....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
した。方向は上野のようであります” “中折帽に長い茶色のオーバー、猫背で、茶色の
色眼鏡をかけた袋猫々は、黒い旅行鞄と灰色の毛布をもって四番線の九六列車に乗込みま....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
そうな顔をして、房枝をにらんだ。 そのとき、人々をかきわけて、背の高い、そして
色眼鏡をかけた一人の若い紳士が、すすみ出た。 「ピストルをうったのは、その娘さん....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
は無用だから、さっさと帰ってもらおう」 と、金博士は、大きなウルトラマリン色の
色眼鏡を手でおさえながら、椅子のうえから立ち上ったのであった。 2 ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
雪子の両親の失望、隣組の人々の不満、そして道夫の憤激――道夫の憤激は、彼が拾った
色眼鏡を係官に示す機会を遂に失ってしまった。もちろん、彼が胸に今抱いているある推....
「火薬船」より 著者:海野十三
いへんおちついた紳士のように見えた。おそろしくやせぎすで、大きな両眼は、日よけの
色眼鏡によって遮蔽されてあった。 「貴船は貨物船らしいが、なにをつんでおられるの....
「暗号数字」より 著者:海野十三
に見えた。顔色もたいへん黒く焦げて、例の胃弱らしい青さがどこかへ行ってしまった。
色眼鏡を捨てて縁の太い眼鏡にかえ、どこから見てもじじむさくなった。そのことを僕が....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
という始末であったから、いい成績のあがらないのも無理はなかった。しかし、それらの
色眼鏡を取りはずして見物した人々は、さすがに日本一の団十郎であると驚嘆して、みな....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
と怪物そのままの不気味な顔をしているではないか! 暖炉の火をうつして、赤く光る
色眼鏡、顔いちめんにぐるぐるまきにしたほうたい、そしてなによりおそろしく思えたの....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
マスクを一つ買いました。見るとK夫人もちゃんとマスクを掛けていて、しかもその上に
色眼鏡まで掛けているという御叮嚀さで、実に用意周到を極めているのには感心してしま....