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艶っぽい
「艶っぽい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艶っぽいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
にするのを聞くと、依然として不快の情を禁ずることが出来ない。
「ともかくあれで、
艶っぽいことにかけては、たっしゃなものでございますからな。それに名代《なだい》の....
「少女病」より 著者:田山花袋
するにも程があると憤慨する。けれどそれはすぐ消えてしまうので、懲りることもなく、
艶っぽい歌を詠み、新体詩を作る。 すなわちかれの快楽というのは電車の中の美しい....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
な。罪ほろぼしにもなりますからね。そうです。罪ほろぼしです。私の若い時のね。いや
艶っぽいことなんか身に覚えはありませんから、アテられるなんて事はありませんよ。そ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
見ようと裏口の窓を開けた。雨上りの夜の天地は濃い墨色の中にたっぷり水気を溶して、
艶っぽい涼味が潤沢だった。下げ汐になった前屈みの櫓台の周囲にときどき右往左往する....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
いた。 「だから私困るのよ。手紙を出すとなると、あの人が満足するように、いくらか
艶っぽいことも書かなきゃならないし、書こうとすれば、先生の目はいつも光っているで....
「足迹」より 著者:徳田秋声
庄は捻ねくっていた枕をまた袋の底へ押し込んだ。よく四畳半で端唄を謳っていた叔母の
艶っぽいような声が想い出された。 「阿母さんもそんなものを持って来て。」 お庄....
「読書法」より 著者:戸坂潤
にはそういう手本になるようなエッセイが大分ある。だが私は、韓退之のようなああいう
艶っぽいくせに鈍重な「論文」は大きらいなのである。一体、支那の古典文が大方そうな....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
込んでいるのだから馬鹿げているではないかと思ったことがある。 女難は、必ずしも
艶っぽいものとは限らないそうだ。電車の中で、ちょっと婆さんに足を踏まれても、女難....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
塵一道、半ば空に漲《みなぎ》る 花は白し春風、桜の馬場 飛騨の高山はこういう
艶っぽいところであります。事実が、詩人の艶説だけのものがあるや否やは知らないが、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だし、徳川の三代将軍もあそこで生れたというところだ。近くはお前、喜多川歌麿という
艶っぽいこと天下無類の浮世絵師も出ているし、狩野派《かのうは》で橋本雅邦という名....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
われまする、小宮山はどの道一泊するものを、乾燥無味な旅籠屋に寝るよりは、多少|色
艶っぽいその柏屋へと極めたので。 さて、亭主の口と盆の上へ、若干かお鳥目をはず....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
振り返り、伸びあがって見送っていると、芸者は、裾さばきも軽やかに社庭を突っきり、
艶っぽい声を投げて一軒の料理家の戸ぐちをくぐった。
やぐら下まつ川の夢八が、羽....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
らぶら歩く姿は余程、異様なものであったろうと思います。二人は、簾を垂らした中から
艶っぽい拵え声で「寄らしゃりませい寄らしゃりませい」とモーションをかけている祇園....
「円朝花火」より 著者:正岡容
れる柳枝は、自作自演の名人で、なかには「おせつ徳三郎」や「居残り佐平次」のような
艶っぽい話もこしらえたが、根が神学の体験を土台に作った「神学義竜」や「神道茶碗」....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
悉く、芸者家や待合の巣になっていることをも考慮に加えなければならない。座敷著姿の
艶っぽい芸者や雛妓等があの肩摩轂撃的の人出の中を掻き分けながら、こちらの横町から....