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芝地
「芝地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芝地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
られている御影石の階段をサッと照した。これを下りてゆけばいいのだった。 内庭の
芝地の上に下りたって、僕は奇異な感に打たれた。この庭の広々としたことはどうであろ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
る場所は間近かの筈だった。 「うん、あすこだ」 繁みの葉の間からは、向うに丸い
芝地が見えた。近くに電灯がついているらしく、黄色く照し出されていた。その真中には....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
面に棺で張りつめてあって、あくどい大理石像がうるさいほど並んでいた。しかし中庭の
芝地の中に簡単な十字架の並んでいるのは気持ちがよかった。そこには日本で見るような....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
のNというのが化け物の創作家として衆にひいでていた。彼は近所のあらゆる曲がり角や
芝地や、橋のたもとや、大樹のこずえやに一つずつきわめて格好な妖怪を創造して配置し....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
けでいってくれ」 「は。では、散歩をして参りましょう」 金博士は、石段づたいに
芝地に下り、そして正確なる歩速でもって、向うの方へ歩いていった。 「老師、うまく....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
つした岩の面に私が手をかけた時には、ほとんど夜になっていた。岩のすぐ下手に、緑の
芝地のごく小さな凹地があって、それが、土手と、その辺にすこぶるたくさん生えている....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
いという気がした。自分がやはりその一人である事などは忘れてしまって。 裏の方の
芝地へ廻ってみても同様であった。裁判所だか海軍省だかの煉瓦を背景にした、まだ短夜....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
入れると、全く荒廃そのものだ。樫の幹を少し右手に寄せて構図の中心とし、根本の叢と
芝地とで画面の下半分を塗りつぶす。背景は一切取り入れない。全体を少し高めに浮き出....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
。常磐木の横を廻ってゆくと、其処の日向に三脚《さんきゃく》を据えて、向うの灌木や
芝地になだれ落ちてる外光を、点々と写し出してる画家があった。立って見てる人も居な....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
小さな静かな安らかな町だった。人家のまわりの庭、花の咲いた桜樹《おうじゅ》、緑の
芝地、美しい樹影《こかげ》、擬古式の廃墟《はいきょ》、大理石の円柱台の上、緑の間....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
言えぬ快楽は、靴《くつ》と靴下とをぬいで、小径《こみち》の冷やかな細かな砂の上、
芝地のぬれた草の上、日影の冷たい石の上や日向《ひなた》の熱い石の上、森はずれを流....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
覚えた。 二人は庭のはずれの野菜畑まで行った。幕のように立ち並んだ大木がそこを
芝地から隔てていた。二人は小径《こみち》のまん中を小刻みに歩いていった。径の両側....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の前方に赴《おもむ》き、ジュナップからブラッセルへ通ずる道の右手にある小高い狭い
芝地を観戦地として選んだ。それは戦闘中の彼の第二の佇立所《ちょりつじょ》であった....
「お月様の唄」より 著者:豊島与志雄
いまして、青々とした芝が一面に生えており、その中にいろいろな花が咲いていました。
芝地《しばち》のまん中には、赤や黄や白の薄い絹《きぬ》の衣《ころも》を着、百合《....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
条に、 相憑旨仰了。 とあるのによって知られる。芝辻子の名は、けだしもと空閑の
芝地を開いて辻子(小路)となし、唱門屋敷を設けたので得た名であろう。そしてその後....