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花の顔
「花の顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花の顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
見ると、志丈の傍に坐っているのは例の美男萩原新三郎にて、男ぶりといい人品といい、
花の顔月の眉、女子にして見まほしき優男だから、ゾッと身に染み何うした風の吹廻しで....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
牙の骰子に誇るこそ愚なれ。かゝる叔父を持つ身の当惑、御嶽の雪の肌清らかに、石楠の
花の顔|気高く生れ付てもお辰を嫁にせんという者、七蔵と云う名を聞ては山抜け雪流よ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を折りまして、 かざり車や、御車《みぐるま》や、御室《おむろ》あたりの夕暮に、
花の顔《かんばせ》みるたのしみも…… 歌でさえ、この通り花やかなものでござい....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
てくれては大に失望する男も多いだろうと思う、例えば私の愛人であるカフェー何々のお
花の顔が、一夜にしてモナリザと化けてしまったとしたら、私は困ってしまう。 どん....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
て芳紀二十三歳の丸ぼちゃクルクル猫目《ねこめ》の仲居頭あり。嬋娟《せんけん》たる
花の顔《かん》ばせ、耳の穴をくじりて一笑すれば天井から鼠が落ち、鬢《びん》のほつ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
しょうにん》は酒杯を得て、 奥山の松の戸ぼそを稀《まれ》に開《あ》けてまだ見ぬ
花の顔を見るかな と言って泣きながら源氏をながめていた。聖人は源氏を護《まも....
「源氏物語」より 著者:紫式部
であるからと忍耐を続けているのである。気をめいらせて泣いている時のほうが多い末摘
花の顔は、一つの木の実だけを大事に顔に当てて持っている仙人《せんにん》とも言って....
「魔都」より 著者:久生十蘭
》。ひとにばかり附合わして置いてさ」
といったものの流石に心配になったものか、
花の顔を覗き込むようにし、
「ほんとにどうしたというんだろう。真ッ蒼だわ、あんた....
「秋草」より 著者:島崎藤村
調の色素にして瑠璃にも行けば柿色にも薄むらさきにも行き、その極は白にも行くような
花の顔がほのかに見えて来る。物数寄な家族のもののあつまりのことで、花の風情を人の....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
よりして、ともにそだちし筒井筒《つついづつ》。かたすぐるまでくらべこし。緑の黒髪
花の顔。姿かたちもうるわしく。学問才知も人並みには立ちまさりたる浜子なれば。今さ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
と感ずるのだが、じつはそれは子房ではないのである。すなわちその子房らしいところは
花の顔すなわち花被になっている萼《がく》の下に続く部の括びれたところで、それはや....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たような息の白さが灯を霞める。女房たちの座からは、ふと、みかどの方へ笑みを流した
花の顔が多い。今を時めく寵妃とたれ知らぬはない阿野|廉子などの艶姿であった。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
えても」 「はい。羅刹の妻となりまする」 「登子っ」 彼は寄って、いきなりその
花の顔を、抱きしめた。 「もう、終生離さぬ」 この乱暴に似た力の方が、はるかに....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。さすが女性のほうは羞恥にたえないというよりは酷い仕置きにでもあっているように
花の顔を捻じかくしたきり息をつめている様なのであるが、ご主君の方はその青い艶やか....
「紅梅の客」より 著者:吉川英治
ひとくちに紅くさえあれば紅梅といっているが、あの紅さもいろいろである。ほんとの真紅はまったく少い。かなり紅いのでも
花の顔を覗くと中はほの白くて、遠目にするとそれが淡紅に見えてしまう。しかし真の紅....