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花婿
「花婿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花婿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
本邸で結婚式を挙げる事になりました。連日の心労に憔悴《しょうすい》し切った私が、
花婿《はなむこ》らしい紋服を着用して、いかめしく金屏風を立てめぐらした広間へ案内....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
葉をついで、小法師岳の突兀《とつこつ》とした岩容を振り仰いだ。 「それから、次の
花婿に定《き》められている喜惣は、あの山のように少しも動きませんわ。ここへ来てか....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
ス語を大成さすべく、しきりに東京へ出て語学校へはいりたがっていたのだ。礼ちゃんの
花婿の隅田中尉というのも、これは中学校出身で英語がお得意なので、やはり何とかして....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
のも、私には父に対する面当としか思われません。実は昨夜こうなんです。――父が姉の
花婿にルキーンを選んだのは、そもそも一寸法師の貯金が目当だったからです。そして、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
墜落った。 その時闇の夜を明るく照らし、一団の提灯が走って来た。変を聞き知った
花婿が、家族と一緒に走って来たのである。
花婿は礼装で身を飾っていたが、地に仆....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
界の最高権威となったヒルミ夫人は、一昨年ついに結婚生活に入った。 その三国一の
花婿さまは、夫人より五つ下の二十五になる若い男だった。それは或る絹織物の出る北方....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
つは読めた。――」 そういった虎松の脳裏には、帯刀の娘お妙と千田権四郎との花嫁
花婿姿がポーッと浮びあがった。あれが両人を晴れて娶合わせるキッカケだったんだ。 ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
どうやら例のこれは祝詞的漫談のつもりであるらしいのであった。 気の毒なのは花嫁
花婿とその両親達であった。だらだらととまらぬ電車に乗った漫談中は、直立不動の姿勢....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でいなくともいいのだ。おまえの妹分のその灌木から貴い宝の花を一つ取って、おまえの
花婿の胸につけるように言ってやれ。それはもう彼にも有害にはならないのだ。わたしの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ないのでした。わたしはもう、葬式のためにここへ来たことを忘れてしまって、あたかも
花婿が花嫁の室にはいって来て、花嫁は羞かしさのために顔をかくし、さらに自分全体を....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
だ。逆らっちゃあ悪かろう」「よしそれじゃあ松葉籤だ。長い松葉を引いた方が姐さんの
花婿とこう決めよう」 源太は頭上へ手を延ばし、松の枝から葉を抜いた。 「さあ出....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
の方は、確かに泥棒だな」 「御免なすって下さいまし。隠しゃぁ致しません。全く私は
花婿仲間でございます」 「
花婿仲間とはなんだ」 「夜目取りで。へへへ、嫁取りに文....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
に行く。若しまた拙い首尾になり果てようと、落ち付く先は極楽浄土。一つうてなで花嫁
花婿』(涙にむせぶ) おくみ(いそがしく手探りで源兵衛の頬を探り)『や、や、源兵....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
た。丸顔の花嫁は、興奮のためか、それとも蝋燭の光のためか、幾分か蒼ざめて見えた。
花婿の良雄も常になく沈んで見えた。母家の方からは、出入りのもののさんざめく声が頻....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のであり、家庭生活を営むというわけにもいかないではないか。結婚後も、この魅力ある
花婿は今までと同じようにロマンチックに、熱烈にこちらに執着してもくれるし、ごきげ....