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「花嫁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花嫁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
が三台後ろ向きに止まっている。人通りはやはり沢山ない。角隠《つのかく》しをつけた花嫁《はなよめ》が一人、何人かの人々と一しょに格子戸を出、静かに前の人力車に乗る....
たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ルの隅に坐り、ナイフやフォオクを動かし出した。たね子は角隠《つのかく》しをかけた花嫁にも時々目を注《そそ》いでいた。が、それよりも気がかりだったのは勿論皿の上の....
クララの出家」より 著者:有島武郎
ララは床から下り立つと昨日|堂母に着て行ったベネチヤの白絹を着ようとした。それは花嫁にふさわしい色だった。しかし見ると大椅子の上に昨夜母の持って来てくれた外の衣....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
三月ばかりも、家へ入れて、かみさんにしておいた事もあったがね。」 ――初女房、花嫁ぶりの商いはこれで分った―― 「ちゃんと金子を突いたでねえから、抱えぬしの方....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
で、お稲はその身の前妻じゃ。―― との、まだお稲が死なぬ前に、ちゃッと祝言した花嫁御寮に向うての、――お主は後妻じゃ、二度目ぢゃと思うておくれい、――との。何....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
のように見えた真向いの島田の鬢に包まれて、簪の穂に顕るる。……窈窕たるかな風采、花嫁を祝するにはこの言が可い。 しかり、窈窕たるものであった。 中にも慎まし....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ょっと口籠って、 「ですがね、こうなると、自分ながら気が変って、お前さんの前だと花嫁も同じことよ。……何でしたっけね、そら、川柳とかに、下に居て嫁は着てからすっ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を打ッつけたのが一時で、 「やーい、けいせい買のふられ男の、意気地なしの弱虫や、花嫁さんが来たって遁げたや、ちゃッ、ちゃッ、ちゃッ。」 ……と、みそさざいのよ....
」より 著者:池谷信三郎
轟々と廻転をし続けていた。 油と紙と汗の臭いが、新大臣のお孫さんの笑顔だとか、花嫁の悲しげな眼差し、あるいはイブセン、蒋介石、心中、保険魔、寺尾文子、荒木又右....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ラザルスに着せた。そうして、彼は自分の一生涯をおそらく知らないであろうと思われる花嫁の聟としてこの衣裳を着ていた。それはあたかも古い腐った棺桶に金鍍金をして、新....
露肆」より 著者:泉鏡花
紅の透る、白襟を襲ねた端に、一筋キラキラと時計の黄金鎖が輝いた。 上が身を堅く花嫁の重いほど、乗せた車夫は始末のならぬ容体なり。妙な処へ楫を極めて、曳据えるの....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
男子はどんなに仕合わせなことであろう……。』などと申した位に、それはそれは美しい花嫁姿でございました。しかし委細の事情を知って居る私には、あの美しいお顔の何所や....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、嫁さん。」 「はい。」 と二竈の大鍋の下を焚つけていた、姉さんかぶりの結綿の花嫁が返事をすると、 「その大皿と、丼を――それ、嫁さん、そっちの戸棚。」 こ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
は移った。 天衣、瓔珞のおん装でなくても、かかる場面へ、だしぬけの振袖は、狐の花嫁よりも、人界に遠いもののごとく、一層人を驚かす。 従って――郡多津吉も、こ....
活人形」より 著者:泉鏡花
得三が促し立つれば、老婆は心得、莞爾やかに高田に向いて、「お芽出度存じます。唯今花嫁御を。……と立上り、件の人形の被を掲げて潜り入りしが、「じたばたせずにおいで....