花押[語句情報] »
花押
「花押〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花押の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
まっている、降矢木家の紋章なんだよ。何故、豊後王|普蘭師司怙・休庵(大友宗麟)の
花押を中にして、それを、フィレンツェ大公国の市表章旗の一部が包んでいるのだろう。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
松平伯耆守、同じく松平周防守、同じく小笠原壱岐守の名が書かれた。みんなが暗記する
花押までその紙の上に記された。 この老中連署の書面が仏国公使の手を通して、英船....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
とを各国公使に告げるよう勅命をこうむった、と認めてある。宇和島少将(伊達宗城)の
花押まである。 その日、兵庫の永福寺の方では本犯者の処刑があると聞いて、パアク....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
加二奥書一也。 于時延宝七年季冬朔日 伊達十九代左少将藤原朝臣綱村(
花押) とあるに依り、一旦塵芥に埋れたる反古の如きものであったから、後に至って....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
押した磔刑柱《はりつけばしら》を馬の前に立てて上洛したのは此時の事で、それがしの
花押《かきはん》の鶺鴒《せきれい》の眼の睛《たま》は一月に三たび処を易《か》えま....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
な 乞食の子も孫もある彼岸哉 踏青や裏戸出づれば桂川 古雛の衣や薄き夜の市 盃の
花押し分けて流れけり 堀止めのこゝも潮干や鰌掘り 出代りて此処に小梅の茶見世かな....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
得ば神明へ捧命申処の誓言則御見分の通|遂下候 不具 十六日 一木権兵衛政利
花押 津寺方丈 御房 其の夜は月があったが黒い雲が海の上に垂れさがっていた....
「盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
うつもりだったが、ふと思いかえしてよしたといったようにね。ひどく目立ったD――の
花押のある、大きな黒い封印があって、細かな女の筆蹟でD――大臣へ宛てたものだった....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
君主とすべての反逆人とは皆、不可変更のポーランド分割調書を作り、確認し、署名し、
花押《かおう》したのである。近世の大逆の史を閲すると、右の事がらが第一に現われて....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
のは今度が初めてで、どう持っていいか全くわからない。するとその人は一箇所を指して
花押の書き方を教えた。 「わたし、……わたしは……字を知りません」阿Qは筆をむん....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
「ああ。あの系図に過去帳のことか。故人がそのときここで書いたに相違ないが、ワシに
花押をかけというから、ハンコで間に合わせてやったな。お経もあげてやらなかったな。....
「博物誌」より 著者:岸田国士
上がって行く。 翼の羽根ペンも軽やかに、彼女らはぐるぐると誰にも真似のできない
花押を書きなぐる。 それから、今度は二羽ずつ抱き合ったまま、みんな一緒に集まり....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
祈祷事、蝦夷已静謐之間、法験之至、殊感悦候、謹言 文保二年五月二十一日 高時(
花押) 称名寺長老 とある蝦夷は、言うまでもなく当時なお奥羽の北部に蟠居せ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぶせて、読み終るとすぐ、 「筆を」 と、弟の直義から筆をうけとっていた。そして
花押をそれに加え、背のえびらから上差の鏑矢一トすじ抜きとって願文に添え、神殿のま....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
(足利) 康永二年十月卅日 直義(
花押) 謹上 三宝院大僧正御房 とある。それでもなお南北朝戦乱の際には、....