花柳[語句情報] » 花柳

「花柳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花柳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
、なりは薄青い縞《しま》のセルに、何か更紗《さらさ》の帯だったかと思う、とにかく花柳小説《かりゅうしょうせつ》の挿絵《さしえ》のような、楚々《そそ》たる女が立っ....
或る女」より 著者:有島武郎
美しい薄命児をだれにでも思い起こさせた。彼女の立ちすぐれた眉目形《みめかたち》は花柳《かりゅう》の人たちさえうらやましがらせた。そしていろいろな風聞が、清教徒風....
間諜座事件」より 著者:海野十三
●シャンソン(朝顔の歌) 咲田さき子 ●ダンス(美わしの宵) (唄)花柳 春子 須永 克子 山村 蘭子 杉原 常子 ●シャンソン(遥....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の権八小紫の比翼塚が残っていることは、江戸以来あまりにも有名である。近頃はここに花柳界も新しく開けたので、比翼塚に線香を供える者がますます多くなったらしい。さび....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
みの工面がつきやしません。……いえね、いよいよとなれば、私は借着の寸法だけれど、花柳の手拭の切立てのを持っていますから、ずッぷり平右衛門で、一時|凌ぎと思いまし....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
して都合がいいというわけでもなく、殊におとなしい性質の男ですから、自分から進んで花柳界へ踏み込むようなことはなかったのですが、商売が煙草屋で、花柳界に近いところ....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
ては幾らか浮かび上がったわけだが、そのうちに彼女は悪い病いにかかった。一種の軽い花柳病だと思っているうちに、だんだんにそれが重ってくるらしいので、抱え主もかれに....
好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
るのでないと、それこそ恥ずかしい目にあわないものでもありません。 そこに行くと花柳社会の人達には勇気があります。いつだったか、先斗町で有名な美人の吉弥と一緒に....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
…… ……………………………… ……………………………… 青年の唄っている唄は花柳界の唄にしても、唄っている心緒は真面目な嘆きである。声もよくなく、その上節廻....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ょっとお覚え下さい。 (――すぐ、あとで、本郷座の前茶屋へ顔を出しますから――)花柳界の総見で、楽屋は混雑の最中、おいでを願ってはかえって失礼。お送りをいたすは....
雪柳」より 著者:泉鏡花
に、古馴染や、遠慮はない。それにどこへ来なされた思うて、そのように堅うして。……花柳界、看板を出した待合や。さ膝を崩いて、楽にござって、尼かてこの年、男も同然、....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
うつむき勝ちで、麹町の大通りを横に切れ、弁慶橋を渡って赤坂へさしかかると、ここは花柳界に近いだけに、春着の芸者が往来している。酔っ払いもまた多い。見るもの、聞く....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
たために、決闘を申込まれたそうだ」なんて話があった。 とにかく、それからの彼は花柳界にもあまり姿を見せず、家庭内に閉じ籠ってしまったので、さだめし平和な幸福な....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
な女だって、容易な事ではない。と彼は頻りにそれについて頭を悩ませていた。 車が花柳界の近くを通っている時、見番の灯を見て、ふとある名案を思いついた、そこで小山....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
はやむを得ず荒物屋の前に水を撒いていたお上さんに田舎者らしい質問をした。それから花柳病の医院の前をやっと又船橋屋へたどり着いた。船橋屋も家は新たになったものの、....