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花模様
「花模様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花模様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
でいるだけです。しかもその椅子や机が、みんな古ぼけた物ばかりで、縁《ふち》へ赤く
花模様を織り出した、派手《はで》なテエブル掛でさえ、今にもずたずたに裂けるかと思....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
、章三は貴子を見た。貴子は昨夜のショートパンツではなかった。二十の娘が着るような
花模様のワンピースを着ていた。エキゾチシズムからエロチシズムへ、そして日曜日の朝....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
はこれがほんとの蒼いのだといいたいくらい不健康な色をしていた。身体には汚れきった
花模様のあるメリンスの着物を着ていた。これこそ、紛れなき丘田お照の子、絹坊だった....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
か言うような踊り場が挟まっていた。ニスで赧黒く光った店構えに厚化粧でもしたような
花模様が入口のまわりを飾っていた。毒々しいネオンサインをくねらせた飾窓の硝子には....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れへ坐ったのでございますが、不図自分の前面のところを見ると、そこには別に一|枚の
花模様の厚い座布団が敷いてあるのに気づきました。『きっと乙姫様がここへお坐りなさ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
を押さえていたのですが、とうとう死の床の上に眼を落としてしまいました。縁に大きい
花模様があって、金糸銀糸の総を垂れている真っ紅な緞子の窓掛けをかかげて私は美しい....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
立ちのこと 仮りにもし、それが画中の風物であるにしても、遠見の大観覧車と云う開
花模様はともかくとして、その点晴に持って来たのが、ものもあろうに金糸銀糸の角眩ゆ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
なにかしら透き通ったような人間ばなれのしたものを法水は感じた。 朝枝は水っぽい
花模様の単衣を着、薄赤色の兵児帯を垂らしているが、細面の頸の長い十六の娘で、その....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ぐるりには大入袋や安っぽい石版摺りの似顔絵などが、一面に張られていて、壁地の
花模様などは、何が何やら判らないほどに、色褪めていた。 すべてが、腐った沼水に....
「道なき道」より 著者:織田作之助
上に置くと、隣の部屋へかけ込んで、汗だらけのシュミーズの上に、よれよれの、しかし
花模様のついたワンピースを着た。 上本町七丁目の停留所から、西へ折れる坂道を登....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
ね」 髪の薄い夫はよしよしといった。 樟脳とナフタリンの匂いのするスカートと
花模様の袂がごちゃごちゃに玄関で賑わって六日目の朝、妹たちが到着した。 「あたし....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
れているスワンソン夫人のピジャマに二重の魔美が潜んでいるのは合理的だ。ライラック
花模様がペルシャの鷹狩の若衆に絡んで光沢の波に漂っている。 夫人は部屋のカーテ....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
く、その料亭へよばれた女をのせて、人力車が三台横丁へはいった。女たちは塗りの台に
花模様の向革をつけた高下駄をはいて、島田の髪が凍てそうに見えた。蛇の目の傘が膝の....
「幽霊」より 著者:小野佐世男
したたりや、血痕が残ってはいまいかと、あっちこっちとしきりに触ってみたが、綺麗な
花模様のフンワリとした布団には、何の変化も見られなかった。 私たちは、母たちと....
「城」より 著者:カフカフランツ
によりかかったまま、彼女が教壇の机の上にとっておきの白いテーブル・クロスをかけ、
花模様のついたコーヒー茶碗を置き、そのそばにパンとベーコンと、いわしの罐詰まで並....