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「花畑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花畑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
野が見晴せるのだろうが濃い霞が澱《よど》んでかかり、金色にやや透けているのは菜の花畑らしい。覗きに来る子供を叱りながらおかみさんが斡旋《あっせん》する。私はどこ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。 「はッはッは」 「ふ、ふ、ふ」 「ほッほッほ」 それに釣りこまれて、一座は花畑のように笑いころげた。 どよめきが、やっと鎮まりかけたとき、 「それにして....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
多分永遠に日本には帰って来ないだろう。私はあれを金に換えた上で、赤い太陽の下に、花畑でも作って、あとの半生をノンビリと暮らすつもりである。....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
出た。 瞬き盛りの銀座のネオンは、電車通の狭谷を取り籠めて四方から咲き下す崖の花畑のようだ。また、谷に人を追い込めて、脅かし誑かす妖精群のようにも見えた。 ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
て引っ返されたと云うので、武尊岩の名が残っているのだそうです。そのそばには天狗の花畑というのがあります。いずこの深山にもある習いで、四季ともに花が絶えないので此....
単独行」より 著者:加藤文太郎
し尾根を進む。眺望のよきこと言語に絶す、三角点に名刺を置き、万歳三唱。少し進みて花畑を通り道明らかならざれば偃松帯を進み三田平の西北に下りてみれば人に逢う。劒よ....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
っと縮まってたんぽぽの花になった。それはもっともっと縮んで、たんぽぽとれんげ草の花畑《はなばたけ》となり、もっともっと縮んで飛行機から見下ろした武蔵野の風景とな....
紅玉」より 著者:泉鏡花
の立つ時は、地にも綺麗な花が咲くよ。芍薬か、牡丹か、菊か、猿が折って蓑にさす、お花畑のそれでなし不思議な花よ。名も知れぬ花よ。ざっと虹のような花よ。人間の家の中....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
法衣の袖の障るのは、と身体をすぼめて来ましたが、今も移香がして、憚多い。 もと花畑であったのが荒れましたろうか。中に一本、見上げるような丈のびた山百合の白いの....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
い伏屋の残骸が、蓬の裡にのめっていた。あるいは、足休めの客の愛想に、道の対う側を花畑にしていたものかも知れない。流転のあとと、栄花の夢、軒は枯骨のごとく朽ちて、....
星女郎」より 著者:泉鏡花
――蚊帳釣草にも、蓼の葉にも、萌黄、藍、紅麻の絹の影が射して、銀の色紙に山神のお花畑を描いたような、そのままそこを閨にしたら、月の光が畳の目、寝姿に白露の刺繍が....
兄妹」より 著者:岡本かの子
け切らぬ愛らしく淋しい青年の顔を妹の方へ向けて笑った。 正午、日はうらうらと桃花畑に照り渡り、烟り拡がっているのであった。兄は妹と長い堤を歩いて居た。 向う....
唇草」より 著者:岡本かの子
し、園にいる時は髪の毛に触られるのも苦痛のような態度で、白けて黙り込んで研究室や花畑にばかりいた。それでなければ雲を掴むような大きなことばかりいっていた。そんな....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
小池あり。蛙の子の棲めるを見て、毒水にあらざるを知る。偃松の余したる処、一面の御花畑也。苔桃、巌香蘭、岩梅、ちんぐるま草、栂桜、岩髭、千島竜胆など生いて、池中の....
花とあかり」より 著者:小川未明
ら、お家へ帰ってこなければいけません。」とおしえました。 子ちょうは、あちらの花畑へとんでいきました。赤い花や青い花や、白い、いい香いのする花がたくさん咲いて....