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花茎
「花茎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花茎の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
と父の骨が火になって出て来たときの、最初の鮮やかな色を思い出させた。それは繊細な
花茎を連想した直後の彼の感傷とはいえ、父の死の光りの前の少女の姿は、一層活き活き....
「夜の靴」より 著者:横光利一
の花が好きだ。眼はいつもここで停ると心は休まる。敗戦の憂きめをじっと、このか細い
花茎だけが支えてくれているようだ。私にとって、今はその他の何ものでもないただ一本....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
三日(紙がこんなで御免なさい) 今は夜で、机の上のアネモネの花がつぼんだために
花茎をぐっともたげたような形でかたまっています。 あちこち宿題の手紙をどっさり....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
。この孤児のように棄てられていた球根にも季節が来れば花を咲かす。秋ともなれば急に
花茎だけが地中から伸長した。葉はまだ出していない。そしてあの反り返った細弁の真紅....
「山の秋」より 著者:高村光太郎
という。その外、秋の野山で目立つのは繖形科の花である。タラの木、ウドなどは巨大な
花茎をぬいて空に灰白色を花火のようにひらいている。高山植物に属する花々もそこらに....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
ぞくげん》で正しくいえば襲重鱗茎《しゅうちょうりんけい》)から、葉と共《とも》に
花茎《かけい》(植物学上の語でいえば※《てい》)を抽《ひ》いて直立し、茎頂《けい....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
ならば、信州|北佐久郡の一部で蒲公英をチチグサ、これは疑もなく乳草であって、あの
花茎を折って白い汁の滴るのを、母の乳房に思い寄せたのである。作者の髭男でなかった....