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「花顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
HUMAN LOST」より 著者:太宰治
ば、われら、きみの名を千人の者に、まことに不変の敬愛もちて千語ずつ語らむ。きみの花顔、世界の巷ちまた、露路の奥々、あつき涙とともに、撒き散らさむ。死ね! われら....
古典風」より 著者:太宰治
、私たちは助かったのだよ、と呻《うめ》くがごとく囁《ささや》き、涙と接吻でネロの花顔《かがん》をめちゃめちゃにした。 その喜びも束《つか》の間《ま》であった。....
狂言の神」より 著者:太宰治
からぬ安堵《あんど》の溜息がほっと出て、かるく狼狽《ろうばい》していたとき、蓬髪花顔《ほうはつかがん》のこの家のあるじが写真のままの顔して出て来られて、はじめて....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
天神橋上の壮語を聞かしめなば、肝胆たちまち破れて、血は耳に迸出《ほとばし》らん。花顔柳腰の人、そもそもなんじは狐狸《こり》か、変化《へんげ》か、魔性か。おそらく....
三国志」より 著者:吉川英治
に彼女の後宮を見舞われた。 貴妃は、雲鬢重たげに、 「いいえ……」と、かすかに花顔を横に振っていう。 「なんですか、ふた晩つづいて、父の夢を見たものですから」....
私本太平記」より 著者:吉川英治
さねばあるけないばかりであった。 そこをいま、裳を片手からげに、抜けるほど白い花顔の人が、素足で静かにどこかへ消えて行った。あたりの蕭条とほのぐらい伽藍のこと....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、 あ、草心尼? と、叫びかけて、おもわずはしたない驚きの目をしばらく彼女の花顔から離しえなかったものだった。それほど彼女の眉目は若き日のかの草心尼に似て美....