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花飾
「花飾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花飾の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道標」より 著者:宮本百合子
スウェターを羽織って。
三十と四十との間らしい年ごろのそのひとは伸子にこまかい
花飾を刺繍した麻の下着類を見せた。水色、紺、白、桃色のとりあわせで忘れな草が刺繍....
「伸子」より 著者:宮本百合子
い剽悍《ひょうかん》そうな縮毛《ちぢれげ》の頭に花環飾りをのせ、胸にも同じような
花飾りを吊っている。傍に腰かけた黒人の男の音楽者が、白ズボンの片脚でドタドタ床を....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
方帝国ホテル前には、彼等が演技終了後華々しく町巡りをなして帝国ホテルに引揚ぐべき
花飾自動車が十数台整列しおりしも、時間尚早のため運転手等は一人も乗車しおらず。逃....
「旅愁」より 著者:横光利一
い高台にあった。壊れた門から玄関まで相当遠い前庭に雑草が茂っていて、その草の中に
花飾の下った台石の高い柱廊が見えた。一瞥した家の様子は、東野の酔狂めいた風格のあ....
「ソヴェトの芝居」より 著者:宮本百合子
みだ。疲れやすみだね。町々には、まだ昨日の装いものがある。労働者市民は、胸に赤い
花飾りなんかつけて、三人四人ずつ散歩している。いくらか、昨日の今日で街が埃っぽい....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
ジョア勃興期の特質をまぎれもなく自身の血の中に具えて、「名声」と「富」とを勝利の
花飾りとして情熱的に夢見つつ、文学の仕事にとり組みはじめたのである。 二十歳の....
「人間の結婚」より 著者:宮本百合子
な解釈だけに立った。これらの見解の中心点は、恋愛にしろ結婚にしろロマンティックな
花飾で飾られたこれらの人間行事は、窮極のところ人間の生物的な種の保存という自然の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の残りで、本当はマッチの飾箱なのです。金色のレースが張ってあって、細い色リボンの
花飾りがついていて、ローマッチをこするザラザラがある。ロココまがいのけちくさいも....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
期待でたのしく私たちの七年目のお正月を祝します。お雑煮をたべなくたって名を書いた
花飾りのある祝箸でたべていいでしょう。そしてあなたの名をかいた箸でたべて十分お祝....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
生活のうちにはいろいろな愛すべき二重奏《デュエット》がありますけれども、そういう
花飾りのような一つ一つの諧調を浮かせつつ流れるものは、耳を傾けつくして、なおつき....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
きている花の美しさがあるし、詩の生れ難いほどの凍結のきびしさを縫って、猶点綴する
花飾りが想われますし。ことしの冬は、氷垂《つらら》のなかにこめられた指頭花ですね....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
出ないのは云うまでもない。頭上に四角の箱をのせて四方にベールを垂らし、箱の上には
花飾りのような棒を何本も突ッ立てている。 メスの獅子が隠れる時は四人のササラッ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
死になって殺伐な呼び込みをしている様子である。 さて、小屋掛けを終り、万国旗と
花飾りで幾分の装飾を加え、鼻眼鏡を掛けたペンギン鳥がタンゴ・ダンスを踊っている絵....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
シクシク泣きながら満の手を執《と》りて我家へ伴《ともな》い行く。 第三百二十九
花飾り これより数日の後食道楽会の第一回は大原満の送別会を兼ねていよいよ広海子....