苅る[語句情報] » 苅る

「苅る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苅るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
に鎌を突込《つっこ》んで置いて帰り、翌日来て、其処《そこ》から其の鎌を出して草を苅る事があるもので、大かた草苅が置いて行った鎌でございましょう。お久は其の上へ転....
山椒大夫」より 著者:森鴎外
良《ゆら》が嶽《たけ》の裾《すそ》で、石浦からは少し南へ行って登るのである。柴を苅る所は、麓《ふもと》から遠くはない。ところどころ紫色の岩の露《あら》われている....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
これが、僕の因循姑息からはじまったことだから、むろん、じぶんが蒔いた種はじぶんで苅るつもりだよ。マヌエラも、僕と一緒によろこんで死んでくれる。ただ、君だけは友情....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
りませんか、とある時云うた。主人の髯は六七年来放任主義であまりうるさくなると剪で苅るばかりだし、主婦は嫁して来て十八年来一度も顔を剃ったことがないので、家には剃....
十二支考」より 著者:南方熊楠
く田畑に入り行《ある》いたから、穀精牛馬形を現わすとさえ信ずる処あり、禾《か》を苅る時、兎、雉等が苅り詰められて最後の一株まで残り匿《かく》るるが、それも苅られ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
を磨《と》いでいたり、丸太石をころがしていたりする。日和《ひより》のよいころ芝を苅るときは、向うの方と、此方のほうで向いあいながら、 「いや、手前一向に武芸の方....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の寂しい情を籠めつつ、赤人的諧調音で統一せられた佳作である。この時の歌に、「玉藻苅る辛荷の島に島回する鵜にしもあれや家|思はざらむ」(巻六・九四三)というのがあ....
遠野物語」より 著者:柳田国男
いうところあり。広き萱山なり。村々より苅りに行く。ある年の秋|飯豊村の者ども萱を苅るとて、岩穴の中より狼の子三匹を見出し、その二つを殺し一つを持ち帰りしに、その....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
なくなり菌も栽培にかわると、いわゆるナバ師はみな男になった。『万葉集』には「玉藻苅るあま少女ども」という歌がある。乾して肥料として田や畠に入れたのである。それが....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
屋根が二|戸葺けるだけの、萱の生える共有地があるとする。それを家々から勝手にでて苅るならば、一戸はさておき半分の用にもたらぬほどの萱も、持ってくることができぬで....