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苛々
「苛々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苛々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歯車」より 著者:芥川竜之介
も安全地帯ではないことを感じた。 「如何ですか、この頃は?」 「不相変神経ばかり
苛々してね」 「それは薬でも駄目ですよ。信者になる気はありませんか?」 「若し僕....
「冬」より 著者:芥川竜之介
然火の気《け》と云うもののない控室の中の寒さだった。僕は絶えず足踏みをしながら、
苛々《いらいら》する心もちを抑《おさ》えていた。が、大勢《おおぜい》の面会人は誰....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、焼蛤も三都無類さ。 その気で居れば可いものを、二十四の前厄なり、若気の一図に
苛々して、第一その宗山が気に入らない。(的等。)もぐっと癪に障れば、妾三人で赫と....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
れて駈落をしかねない。短兵急に首を圧えて叩っ斬ってしまうのだ。 早瀬。」 と
苛々した音調で、 「是も非も無い。さあ、たとえ俺が無理でも構わん、無情でも差支え....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
。 なぜか、その人を咒ったような挙動が、無体に癪に障ったろう。 (何の車?)と
苛々としてこちらも引返した。 (火の車。) じりじりとまた寄った。 (何の車?....
「米」より 著者:犬田卯
それでも浩平はかえらない。 「お父は、組合さ行ったきりかい」とおせきが、そろそろ
苛々しい気持になって、改めて由次にきくと、 「だもんか。野良から上りに、またどこ....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
」 帆村は帳面をとりあげると、念入りに一|頁一頁と見ていった。丘田医師は次第に
苛々している様子だった。そのうちに帆村は、投薬簿をパタリと閉じた。 「どうも有難....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
て尋ねているようである。博士は、じいと正面を向いた儘答えない。昌木教授は、すこし
苛々した面持になって来て、卓を叩いてワンワン詰め寄るかのように見えた。他から人が....
「殺人の涯」より 著者:海野十三
た。 「どうして開けてくれないのですね、ちょっと開けて下さい」 警官の奴、気を
苛々しているぞ。何といっても開けるものか。そしてこの間に、すっかり溶かしてしまわ....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
んわ。あたし、これからどうしましょう」 ジョンは黙って立っていた。 ウララは
苛々した様子で彼の腕に手をかけ、 「ねえジョン。あたしはもう決心しているのよ。こ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
もので、いつもの朝とはこと違い、いくら待っても円タクの姿が一台も現われて来ない。
苛々しているうちに、時計は馬鹿正直にまた五分ほど廻った。 「旦那、安くゆきましょ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
試合開始のベルが鳴る様子がありません。 「どうしたんです。主人公は?」賀茂子爵が
苛々した風で、奇声を張り上げました。 「どう遊ばしたのでしょうか。私も先程から不....
「地球要塞」より 著者:海野十三
よ第三次世界大戦か? 「お化け地球事件」をつたえた怪放送の謎! 私は、只ひとり
苛々し、呻吟《しんぎん》した。 その怪放送者は、何処の何者であるかわからないが....
「蠅男」より 著者:海野十三
まへんやないか。懸けていうたら、はよ電話を懸けてくれたらええのや」 糸子は何か
苛々している様子だった。 宝塚ホテルが出た。 お松がそれを知らせると、糸子は....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ことを云うと、 「目星? そんなものならもうついています」 と係長は向直って、
苛々しながら云った。 「この発火事件ですよ……一人の坑夫が、逃げ遅くれてこの発火....