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「苛む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苛むの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある抗議書」より 著者:菊池寛
身は冷たくなりかけて居ました。私は、その後手に縛られた両手を見ました時、腸を切り苛むような憤と共に、涙が、――腹の底から湧き出すような涙が、潸々として流れ出まし....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
時々に悪戯をなすこと限りなく、通りすがりの若い女の裳を弄び、おこそ頭巾の後れ髪を苛むなぞはまだしものこと、ややともすればジャアンと打ッつかったが最後、大江戸を唯....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
と断ち切られたような別離。秋の夜の停車場。 第三楽章。躁急調。――別離後の男を苛む空虚感。焦燥。男がとうとう女に逢いに行く。劇場でのメロドラマティックな出会。....
秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
から斬りつけたものです。ブレインは月明りの中によく敵の姿を見ながら敵の身体を斬り苛むほど敵の憎んでおったんでしょうかな?」 「実に凄惨だ!」とオブリアンは身慄い....
無題(三)」より 著者:宮本百合子
て、時には、一夜の安眠をさえ与えない程、若い健な、豊饒な感情の所有者である彼女を苛むのである。 其は勿論、思慕と呼ばれるべき感情であろう。然し、何か追想とか、....