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苛める
「苛める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苛めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ると、思わず唇の端に微笑を泛べた。そして、恐らくは無意識だったろうが、もっと彼を
苛めるようなことを、ふといってしまった。 「ダンサーをしていた時、いろんな人に口....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いよ、私がするんだよ。」 「お嬢さん、ああですもの。見舞に来て、ちょっと、病人を
苛めるものがあって、」 「無理ばっかり云う人だよ、私に理由があるんだから。」 「....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の一家は、復一が小学校の行きかえりなどに近所同志の子供仲間として真佐子を目の仇に
苛めるのを、あまり嗜めもしなかった。たまたま崖邸から女中が来て、苦情を申立てて行....
「黴」より 著者:徳田秋声
間に、深山とどこで何を話して来たか、それも不安であった。深山の口から、何か自分を
苛めるよな材料でも揚げて来たかのように、帰るとすぐ殺気立った調子で呼びつけられた....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
たころ、ふいに庭の向うの小屋から、二人の争う声が聞えた。民さんが力ずくで昌さんを
苛めるらしい。何か揉み合うような音も聞える。昌さんが「あーア、あーア」という引っ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
しまッとくの、そしてね、紙の上へ乗せて枕頭へ置いとくの。そして鼠にね、お前、私を
苛めるんじゃアありません。お菓子を遣るからね、おとなしくして食べるんだッて、そう....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
う。厭になったらさっぱりと突出すが可いじゃあないか、あわれな情ないものを捕えて、
苛めるなあ残酷だ。また僕も苛められるようなものになったんだ、全くのこッた、僕はこ....
「小公女」より 著者:菊池寛
たからでした。ラヴィニアはいつも意地悪で、この間まで学校の誇とされていたセエラを
苛めるのは、殊にいい気味だと思っていたのでした。 セエラは、自分で人に意地悪を....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
「奥さま、どうしたと、おっしゃるんですの。私に、案内させておきながら、お姉さまを
苛めるなんて、厭ですわ。」と、喰ってかかった。 夫人は、この小イちゃい娘をハナ....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
そこでまた、銀平の決心を促すことになったのである。けれど、一番若い銀平ばかり
苛めるのは、いけないということになった。そして、三人一緒に小使室の土間へ入って行....
「橋の上」より 著者:犬田卯
程度のものでさえ碌に出来なかった。 彼の得意とするところは、自分より弱いものを
苛めることにあった。すでに「声がわり」のした、腕力といい、体格といい、すっかり若....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
劇や活動写真が好きだろう。能役者になる前に、なぜ、鉄鎚や鑿を持って斬込んで、姉を
苛めるその姑婆を打のめさないんだい。――必ず御無用だよ。そういうかたがたを御紹介....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
国と親しいそうだ。英国と親しいとするとどうも怪しい。なおこの国はシナの大国すらも
苛める位の強力の国である。いわんや我が国のごときは小国、殊に仏教国であるから自分....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
言うことを聴かないように思えた、「私、あなたを愛してますわ。どうしてあんなに私を
苛めるの?」 彼女は眼を瞑って、彼の唇に強く接吻した。そのまま長いこと、一分ほ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
客の事からさ」 正「これはどうも、これは恐入った、若旦那それでは貴方まるで花魁を
苛めるようなもので、花魁がお可愛相です、あのお客に花魁が惚れるのなんてえことがあ....