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苛烈
「苛烈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苛烈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
序唱 神の焔《ほのお》の
苛烈《かれつ》を知れ
苦悩たかきが故に尊からず。これでもか、これでもか、生垣....
「八十八夜」より 著者:太宰治
んは、ぎゅっとまじめになってしまった。芸術の尊厳、自我への忠誠、そのような言葉の
苛烈が、少しずつ、少しずつ思い出されて、これは一体、どうしたことか。一口で、言え....
「火の鳥」より 著者:太宰治
かだ。世の中は、つらいのだ。きびしいのだ。一日、一日、僕には、いまのこの世の中の
苛烈《かれつ》が、身にしみる。みじんも、でたらめを許さない。お互い、鵜《う》の目....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ヴェランダに出て、雨垂の音を聞く。何かおしゃべりがしたくなる。何を? 何か、こう
苛烈《かれつ》なことを。自分の柄にもないことを。世界は一つの誤謬《ごびゅう》であ....
「たずねびと」より 著者:太宰治
べなければ生きて居られないとは、何という不体裁な事でしょう。「おい、戦争がもっと
苛烈になって来て、にぎりめし一つを奪い合いしなければ生きてゆけないようになったら....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
っている。言論の統制が、雑誌単行本其の他に対しても、より統一的となり組織的となり
苛烈となったことは、三六年度の特色である。言論統制は思想取締りばかりでなく風俗取....
「楊先生」より 著者:豊島与志雄
の着流しの男が佇んでいた。 その辺、全部焼け野原で、あたりに人影も稀だったが、
苛烈な空襲下、日本服の着流しの人は如何にも珍しく、謂わば時勢を知らない流行外れな....
「高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
に、公開の舞踊の会がありまして、菊千代は『高尾ざんげ』を出しました。戦争は次第に
苛烈さを増して、踊りの会などもそれが最後かと思われました。梶さんは忙しい時間をさ....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
どは、そのころは衣食住は保障され、わがままは通り、今の現実にくらべれば、どっちが
苛烈な戦地であるやら、これを通観して、今、戦争が終った、などと、観念上に架空な言....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
」 「そうはコマメにいかないねえ。センチな気分にひたるヒマがなかったほど、労働が
苛烈をきわめたんだなア。二三、回向の方々があったらしいや」 青木は腕時計をのぞ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
けた。 しかし、そうしているうちに、ふと余の瞳に映じたものがあって、その衝動の
苛烈さには、思わず双眼鏡を取り落したほどだった。 それから余は、狂わんばかりに....
「悲願に就て」より 著者:坂口安吾
思う。そうして斯様な立場から文学に精進するところの作家にとっては、その静寂にして
苛烈な内的闘争の永遠な懊悩に比べたなら、ジイドが示したような転向は極めて有りうる....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
るものと見るからであり、従って之を創作活動の最も卑屈な奴隷と見るか、又は逆に最も
苛烈な刑執行人と見るか、する、からである。だが言葉は凡ゆる人間活動に伴っている。....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
が、宮廷内の陰謀と、女王の経済と、そして、アイルランド農兵の蛮勇が彼にはあまりに
苛烈だったわけで、なんの成果をあげることもできず、結局、失意の人として絶望のうち....
「『西遊記』の夢」より 著者:中谷宇吉郎
温順なのであって、アジアの大陸の奥地では、土地はもっと狂暴であって、自然はもっと
苛烈《かれつ》な面をいつも見せているのである。地震なども、この西域の地では、関東....