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苛立
「苛立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苛立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
素振りを示した。それは或は重吉には何ともないものかも知れなかった。けれどもお鳥を
苛立《いらだ》たせるには絶好の機会を与えるものだった。お鳥は膝頭《ひざがしら》も....
「春」より 著者:芥川竜之介
考えて見ると、それも皆彼女の邪推《じゃすい》らしかった。広子は今もとりとめのない
苛立《いらだ》たしさを感じながら、もう一度何か憂鬱《ゆううつ》な篤介の姿を思い浮....
「冬」より 著者:芥川竜之介
って見れば、いろいろ事情もあったろうしさ。」
「そうでしょうか?」
僕はいつか
苛立たしさを感じ、従姉に後ろを向けたまま、窓の前へ歩いて行った。窓の下の人々は不....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
物売りの態度に、今日《きょう》も――と言うよりもむしろ今日はじっとしてはいられぬ
苛立《いらだ》たしさを感じた。
「朝日《あさひ》をくれ給え。」
「朝日?」
物....
「影」より 著者:芥川竜之介
。
「私。――よろしい。――繋《つな》いでくれ給え。」
彼は電話に向いながら、
苛立《いらだ》たしそうに額の汗を拭った。
「誰?――里見探偵《さとみたんてい》事....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
「御新造《ごしんぞ》はどうかしているんですよ。」
いつか興奮し出したお蓮は、
苛立《いらだ》たしい眉《まゆ》をひそめながら、剛情に猶《なお》も云い続けた。
「....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
はいかがいたしましょう?」
「善《よ》いわ、やはり召使っておけ。」
直孝はやや
苛立《いらだ》たしげだった。
「けれども上《かみ》を欺《あざむ》きました罪は……....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
の鼻緒が切れると、子供の命も終りそうな気がした。しかしはき換えに帰るのはとうてい
苛立《いらだ》たしさに堪えなかった。自分は足駄《あしだ》を出さなかった女中の愚《....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
けれども亦格別見慣れたことを長江に感謝したい見ものでもなかった。
僕はだんだん
苛立《いらだ》たしさを感じ、もう一度欄干によりかかりながら、やはり人波の去来する....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の母が横になっている。――そう云う意識がいつもよりも、一層この昔風な老人の相手を
苛立《いらだ》たしいものにさせるのだった。叔母はしばらく黙っていたが、やがて額で....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
ムの人々は彼の気もちとは没交渉にいずれも、幸福らしい顔をしていた。保吉はそれにも
苛立《いらだ》たしさを感じた。就中《なかんずく》海軍の将校たちの大声に何か話して....
「早春」より 著者:芥川竜之介
薄《うす》ら寒い防虫剤の臭《にお》いばかり漂っている。中村はだんだん彼自身にある
苛立《いらだ》たしさを感じ出した。三重子は畢竟《ひっきょう》不良少女である。が、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《たくま》しい肩のあたりへじっと眼を注いだまま、何ともその問に答えなかった。彼は
苛立《いらだ》たしい眉《まゆ》を動かして、もう一度同じ事を繰返した。大気都姫は始....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
の容子《ようす》に大事件の起ったことを想像した。第一顔色も非常に悪い。のみならず
苛立《いらだ》たしさに堪えないように長靴《ながぐつ》の脚を動かしている。彼女はそ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の震えていることは僕自身はっきり意識していた。給仕は容易にやって来なかった。僕は
苛立たしさよりも苦しさを感じ、何度もベルの鈕を押した。やっと運命の僕に教えた「オ....