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若い燕
「若い燕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若い燕の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
思っていたが、そうでもない。近頃この界隈《かいわい》に噂が立ちかけて来た、老妓の
若い燕《つばめ》というそんな気配はもちろん、老妓は自分に対して現わさない。 何....
「縮図」より 著者:徳田秋声
一年一年若さを奪って行くことにも気づくのであった。 「今のうちだよ。四十になると
若い燕か何かでなくちゃ、相手は見つからんからね。」 均平は銀子を憫れみ、しばし....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ってるくせに、買ってよう、ようなんて甘ったれてるの。醜いものね、あんなお婆さんが
若い燕なんかもってるのは。私つくづくいやだと思いますわ。」 庸三は苦笑して、 ....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
が》っていた女が、ここに一人ある。 私は二十一、女は二十七。齢から見ると、所謂
若い燕に当るが、女は、京町堀小町と唄われ、評判の美人である。 何故二十七歳に成....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
で……贅沢だな」 「贅沢じゃないわよ。上流の人はみんなそうよ。おまけに男妾だの、
若い燕だのがワンサ取り巻いているんですもの……」 「呆れたもんだナ。そんなのを連....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
がて三十歳に近づいていたらいてうの許を屡々訪れるようになった青年、彼女自身其人を
若い燕と呼んだ愛人との交渉が、ケイの思想へも生きた脈動を感じさせたのであったと思....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
なりました。主人の留守で。二階から覗いた投機家が、容易ならぬ沙汰をしたんですが、
若い燕だか、小僧の蜂だか、そんな詮議は、飯を食ったあとにしようと、徹底した空腹で....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
「七夫人」として知られているのです。何でもその最初の晩が七日だったそうで、彼女は
若い燕の「23」に倣って、それから7にばかり賭けることにしたのです。が、どうせゲ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
た。苗売り、金魚売り、虫売りの声々、カタンカタンという定斎屋の音、腹を見せて飛ぶ
若い燕の、健康そうな啼き声などにも、万物生々たるこの季節の、清々しい呼吸が感ぜら....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
せんだって、週刊雑誌のゴシップ欄に、写真入りで、奥住女史のことが出ていたけれど、
若い燕と相携えて、再度の渡独、というような見出しがついていた。 わたくしの知人....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
例の冗談口だが、その隙間からうそ寒い風が吹く。またこんな話もある。知合いの婦人の
若い燕か何かが死んだ。その男にはチェーホフも好意を持っていたので、悔み状をその婦....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
があった。「白木屋」や「山崎屋」や物真似や、梅にも春の芸者二十四刻の踊りを、まだ
若い燕路(柳亭・四代目)は器用にやった。葭町の美しい人たちが、花のようにいっぱい....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
のモズモズした無愛想な男、シカモ女に縁のなさそうな薄汚ない面をした男が沼南夫人の
若い燕になろうとは夢にも思わなかったから、夫人の芳ばしくない噂を薄々|小耳に入れ....