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若しか
「若しか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
若しかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
何家《どっか》へ嫁《かたず》いていて会える筈は無かろうとは思いましたが、それでも
若しかと思いましてね……」 「私も今一度で可《い》いから是非お目にかかりたいと思....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
、――どうして私はこんな不幸《ふしあわせ》な身《からだ》に生れて来たんでしょう。
若しかすると、私は近い内に死ぬかも……もう御目にかかれないかも……知れません」 ....
「自分だけの世界」より 著者:辻潤
我を意識することだけは出来る筈だ。少くとも僕にはそれが出来たと信じている。そして
若しかくの如き自覚をもって集合した人々が相互にその自覚した立場を理解し得たら、或....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
努力も実行されはしない。即ち個性の全要求の満足という事は行われ得ない約束にある。
若しかかる約束にある智的生活が生活の基調をなし、指導者とならなければならぬとした....
「河明り」より 著者:岡本かの子
が、一旦そうおなりになると一人であすこへ閉籠って、人と口を利くのを嫌がられます」
若しかして、昨日、茶席での談話が、娘を刺戟し過ぎて、娘は気鬱症を起したのかも知れ....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
思って、清兵衞親方という指物師の弟子になったのだ」 婆「左様かねえ、それじゃア
若しかお前さんの母様はおさなさんと云わねいかねえ」 長「あゝ左様だ、おさなと云....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
心にはそんなことのなかったように肯定させて置いたにも拘《かかわ》らず――それとも
若しかしたなら彼自身ではない別の人が、彼の胸のなかをすっかり読み知っていて、彼が....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
―手管のある妖女どもよ、彼等はそれを知っているのである。 ところで、読者にして
若しかく親しい集会に出掛けて行く人数から判断したとすれば、どの家も仲間を待ち設け....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
んでいる。中には取払われて、以前の跡形もない家もあった。 でも九月中ぐらいは、
若しかお前のいる気配はせぬかと雨が降っていれば、傘で姿が隠せるから、雨の降る日を....
「狸石」より 著者:豊島与志雄
びくしていたが、ここにいてくれてよかった。これで安心だ。何物も恐れないぞ。だが、
若しかった。僕の足を見てくれ、血だらけだ。駆けつけて来たんだぜ。煉瓦やコンクリー....
「赤い牛」より 著者:田中貢太郎
だろうと云って父に叱られたことがある。私の父はいいかげんな事を云う人でないから、
若しかすると河馬のような水棲動物であったかも判らないと思うが、それにしても河馬が....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
を渡しながら、「何事も隠さず云って頂きたい。そうでないと我々は貴君を氏名詐称と、
若しかすると、詐欺取材で告発しなければなりません」 田村氏は一度は青くなり一度....
「ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
られたのでございましょうか。いいえ、そんな事は絶対にございますまい。そうすれば、
若しか……死んでいられたのではございますまいか! 若し、光子さんが、死体になった....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
と一緒に村に住んでいる地主がいないので、「残念ながら、ドンツキは出来ない。」 「
若しか岸野ばしたら、どうだべ。」――一人がいたずらに云った。 「岸野か、そうだな....
「神仙河野久」より 著者:田中貢太郎
じゃ、二匹は親鹿で、三匹は子鹿じゃ」 河野は驚いた。この人はただの者ではない、
若しかすると己の求めておる神仙であるかもわからないと思った。河野はそのまま土の上....