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「若しや〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若しやの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、生きた人間の顔としては余り規則が正し過ぎる。三十二相極めて行儀好く揃って居る。若しや此の女は何か護謨《ごむ》ででも拵え屈伸自在な仮面を被《かぶ》って居るのでは....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
が云っていました。殺されたお嬢さんの直ぐ前に居たのだそうです」 「ああ、それでは若しや日本髪の……」 「その通りです」 「その御婦人はどこに住んでいらっしゃいま....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、閣下は、お忘れのように見受けました。わたくしはそれを怪しく思いました」 「では若しや……」司令官は、何に駭いたのか、その場に、直立不動の姿勢をとり、湯河原中佐....
赤外線男」より 著者:海野十三
では驚いて、不思議な噂話がパッと拡がらねばならぬ。それも聞えてこないというのは、若しや赤外線男に手下があるのではあるまいか。 世間では、新宿のホームから飛びこ....
地獄街道」より 著者:海野十三
その酒の本当の効目というものを知らないのだから可笑しな話じゃないか」 「それでは若しや……」 「まア聞けよ」と辻永は私を遮った。「その酒は滅多に客に売らないのだ....
地中魔」より 著者:海野十三
いうのか。 ルンルンルンルン、どこからともなく響いてくるエンジンの音――あれは若しや噂に聞く地底機関車ではないだろうか。 少年探偵の疑問 「岩」という怪....
無惨」より 著者:黒岩涙香
ず男が死物|狂に成り手に当る頭を夢中で握んだ者だ夫で実は先ほどもアノ錐の様な傷を若しや頭挿で突たのでは無いかと思い一寸と君の心を試して見たのだ素徒の目でさえ無論....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
れは爾ですと云わぬばかりに頷首きながら何うか独りで置て下さいと云うのです、夫でも若しや独りで置いて自殺でも企てる様な事が有ては成らぬと思い吾々は竊に見張を就て牢....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
。咽喉は熱して焦げるよう。寧そ水を飲まぬ方が手短に片付くとは思いながら、それでも若しやに覊されて…… 這って行く。脚が地に泥んで、一と動する毎に痛さは耐きれな....
死者の書」より 著者:折口信夫
らめて、自然にとり沙汰の消えるのを待つより為方がない、と思うようになったと言う。若しや、天下に大乱でも起らなければええが――。 こんな※きは、何時までも続きそう....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
るのでした。 翌朝、ごめんなさい、という電報を私は、鉄路のほとりに打ちました。若しや、私の芝居の公演を、みに来てくれまいかと、客席を探したりもしたのです。私は....
火の扉」より 著者:岸田国士
がかれこれ九時近くであつた。そして、駅の前は手さぐりでも歩けぬような暗さである。若しや迎えが来ていはせぬかと、そのへんをながめまわしたが、人ッ子一人みつからぬ。....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
待って見ても、それかと思うはまぼろしばかり。ほんの姿は遂に来もせず、――それとも若しや源兵衛さんに心変りでも、――ひょっとして若しそんなことにでもなっていたら、....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
うな関係があるのであろうか。 そんなことを、いろいろ綴り合わせて考えてゆくと、若しやという疑惑が、なんだか本当にそうあったらしく思われて来るのであった。親族連....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
南日三人」と刻まれた文字を指して、先年の登山の確実なることを証明した。今日あたり若しや中村君が鐘釣温泉から登って来るかも知れないと思って、頻りに怒鳴ったり雪渓の....