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「若妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
の途中、立ち上がり、横木にはさまれて頸《くび》を折ったとか、赤ん坊を抱《だ》いた若妻が滑りおちる恐怖にたえかね、子供を手放したので、赤ん坊がおっこち頭を割って死....
街頭の偽映鏡」より 著者:佐左木俊郎
プにサイダーを注《つ》いだりした。秋川の妹であったころに比べると、彼女はいかにも若妻らしい淑《しと》やかさを見せていた。 「なにも構わないでください。それよりも....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ショックを受けて、その常識的にまことしやかな嘘を放射するのである。他の例としては若妻殺しの夫の問題だが、これも自分が過失で殺したのを犯罪学的に外部から侵入者の行....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
改め、二代目伴法外が、血相を変えて縁に立ちはだかり、その足もとに、眉のあとも青い若妻千浪が、泣き濡れて倒れていた。 伴法外は、片方の眼の上、顎、頬、額と、その....
道標」より 著者:宮本百合子
ールの和一郎たちから晩餐によばれた。いくらか頬にやつれが目立って、それがかえって若妻らしいおとなびた美しさを添えた小枝は、親たちの留守に入っているという自分たち....
連環記」より 著者:幸田露伴
ない。 かかる一家の間柄である。かかる人品の赤染右衛門である。虐げられた定基の若妻に同情し、又無論のこと力寿の方の肩を持ちそうもない定基の母にも添うて、右衛門....
その人の四年間」より 著者:宮本百合子
愛情を集中させるかということは誰にも分ることである。櫛田さんが娘さんをそのような若妻としての位置において眺めて、衷心からともによろこび、安心することができたのは....
貞操問答」より 著者:菊池寛
た。 「おや、大変なご機嫌ね。」と、夫人は、グッと前川の胸元に、近寄って来ると、若妻のように、前川の唇のまわりの匂いを鼻でクンクンかいだ。 「お酒召し上ったのね....
女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
せつつ打ふしている、ろうたけた様は物語りにかかれた几張のかげの美女。これは近代の若妻で写し出される場面も全然異なっているが、若い女性の美と、黒髪というもののかも....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ていて、歩くごとに股のあたりで揺れ動いた。虐待と貧しさとに発狂をした、可哀そうな若妻とは一眼でわかった。が、それにしても母の肩の上へ、これも痩せこけた頤をのせて....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
この用心堅固な商人の居城に、明け暮れ日をおくる侘びしさが、ふさぎの虫をこの商人の若妻の胸にうえつけたばかりか、時にはそれが狂乱の一歩手前にまで昂じることも、一度....
楠公夫人」より 著者:上村松園
。 私は急いで、筆と紙を持つと、その日河内の国へ発った。 甘南備の里の某家の若妻であった。 面長の色の白い品のいい顔立ちの婦人であった。 私がスケッチを....
私本太平記」より 著者:吉川英治
良人の狩衣から、彼女のするどい嗅覚は、ちゃんと、脂粉の香まで嗅ぎとっていた。で、若妻にありがちなすね方も当然だったが、彼女のばあいは、それも尋常一様な嫉妬ではな....