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「若輩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若輩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
髪の毛の長い男がいきなり傍へ寄って来て、あんさんとは今日こんお初にござんす、野郎若輩ながら軒下三寸を借り受けましての仁儀失礼さんにござんすと場違いの仁儀でわざと....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
」案の定、わざとらしいはったりの仁義を掛けて来た。鼻に掛った声だった。「……野郎若輩ながら、軒下三寸を借りうけましての仁義失礼さんにござんす……」そうして、男は....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
三千は余人の一万に当るであろうと推挙するので、諸将尤もとして宗茂を先陣と定めた。若輩の宗茂は、歴々満座の中に面目をほどこして我陣屋へ帰ると、宗徒の面々を呼び集め....
」より 著者:島崎藤村
ネ」 「何とか叔父さんの許へ言って参りましたか」 「正太さんの手紙に、『私は未だ若輩の積りで、これから大に遣ろうと思ってるのに、妻は最早|老に入りつつあるか……....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
るまいが。」 と責むるが如くに云うと、左京の眼からも青い火が出たようだった。 「若輩の分際として、過言にならぬよう物を言われい。忠義薄きに似たりと言わぬばかりの....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
も嫌なんです。見知らぬ人でなくともそうなんです。だから、カーッとなりました。男は若輩の巡査かよた者のようでした。巡査であろうと思います。指に繃帯をして居りました....
桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
五桂とはねた。ところが、これが悪手だったのである。彼の見落した妙手があったのだ。若輩に一時間四五十分も座を外されて津雲は立腹していたから、じっくり考えて妙手をあ....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
器量を下げたことになる。ことに一番の年上でもあり、家柄も上であるところの三上は、若輩の福井に対してまことに面目ない男になったのである。 三上は大原を葉桜の木か....
日置流系図」より 著者:国枝史郎
が聞こえて来たのである。 「小六、お前開けてやんな」 職人|頭の忠蔵は中で一番若輩の小六というのへ顎をしゃくったがいっかな小六が聞かばこそ泣きっ面をして首を縮....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
老獪を極めている。 相手の構えを睨んだが、 「油断はならぬ。立派な腕だ。しかし若輩、誘ってやろう」 ユラリと一歩後へ引いた。 果して付け込んだ深見十三郎、....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
でございます。わたくしは、深川仲町裏に住んで居りまする、馬琴《ばきん》と申します若輩でございますが、少々先生にお願いの筋がございまして、無躾《ぶしつけ》ながら、....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ったのである。 小手先の芸の問題ではなかった。彼は、もっと深い大切なところで、若輩の七三郎に一足取残されようとしたのである。七三郎の巴之丞が、洛中洛外の人気を....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の条でもちょっと述べたが、三十年二月興行の「関の扉」のごとき、染五郎の宗貞は最も若輩なるが故にやや見劣りがしたが、団十郎の黒主、菊五郎の墨染――それらを単に巧か....
フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
た。フランスに派遣された役人たちによってである。考えてみると、だいたいみながみな若輩で、もとより日本料理というものが、今までにどんなに発達してきているか、てんで....
放浪」より 著者:織田作之助
髪の毛の長い男がいきなり傍へ寄って来て、あんさんとは今日こんお初にござんす、野郎若輩ながら軒下三寸を借り受けましての仁義失礼さんにござんすと場違いの仁義でわざと....