若鶏[語句情報] » 若鶏

「若鶏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

若鶏の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅愁」より 著者:横光利一
へ迫って来た。アンリエットの折るセロリの匂いが白い卓の上に漂っている中で、矢代は若鶏の脇腹にたまった露を今は何物にも換え難い味だと思った。 「フランソア一世だか....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
た。将軍のなかには愕いて、手にしていた盃を取落とす者もあり、嚥み下ろしかけていた若鶏の肉を気管の方へ送りこんで目を白黒する者もあった。ただ平然として色を変えず、....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
食物が持ってこられた。彼らは私が食べたがってると思ったのだ。念を入れた軽い食物、若鶏らしいものと他の何か。私は食べようとしてみた。しかし一口ものどには通らなかっ....
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)」より 著者:楠山正雄
うちました。するうち、おなかがへって、気がとおくなりそうなので、テーブルにあった若鶏をひときれ、おっかなびっくらたべました。ぶとう酒も四五杯のみました。これでお....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
なる。これがすなわち肥育飼いです。こうして鶏が卵を生む性能が出て溌剌として見事な若鶏となるのを待ち、まだ雌雄接しないうちに鶏舎から中村屋の料理室へ毎朝提供される....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
遊里の話も、ピンヘッド、ゴールデンバット、パイレートの煙草の香も、負ぐせのついた若鶏の話も、陸奥から出京した少年の心には同様の力を以て働きかけたものに相違ない。....
野萩」より 著者:久生十蘭
、女中たちが懐石膳を運んできた。 向《むこう》は鯛のあらい、汁は鯉こく、椀盛は若鶏と蓮根、焼物は藻魚《もうお》の空揚げ、八寸はあまご、箸洗いという献立で、青紫....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
れは、正真の猫肉じゃ。猫肉は、犬の肉のように闇赤色に濁って、下品ではない。恰も、若鶏の如くやわらかく白く澄み、風味たとうべからずであるから、食べてみてから文句を....
食道楽」より 著者:村井弦斎
たっと》ぶ。我邦で鶏を買うと老鶏《ろうけい》の硬い肉ばかり売って困るが、西洋人は若鶏の三百目以内位のものでなければ肉が硬いといって買わない。しかるにケーポンは施....
食道楽」より 著者:村井弦斎
》って胸の膨《ふく》らんだ肋骨《ろっこつ》の尖って肛門の締った足の黄《きいろ》い若鶏《わかどり》を買って来て家で料理してみよう。鶏を締めるには喉《のど》を斫《き....
食道楽」より 著者:村井弦斎
。それは鶏を一羽なりあるいは大きい鶏ならば腿《もも》だけでも構いません。なるべく若鶏で肉の柔いのを殺してから一昼夜半過ぎたのがいいのです。即ち昨日《きのう》の朝....
三国志」より 著者:吉川英治
は、その声に、 「何だろ?」と、いぶかるように、あたりを酔眼で見まわした。一羽の若鶏が彼の手に脚をつかまえられて、けたたましく啼いたり羽ばたきをうっていた。 「....