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苦になる
「苦になる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苦になるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の盗賊」より 著者:太宰治
なってしまっているのかも知れない。朝、寝床の中で愚図愚図していると、のた打つほど
苦になることばかり、ぞろぞろ、しかも色あざやかに思い出されて来て、たまったもので....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
》だと無暗に云うものだから、それじゃ可哀想で不仕合せなんだろうと思った。その外に
苦になる事は少しもなかった。ただおやじが小遣いをくれないには閉口した。 母が死....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
と》の好意を空《むなし》くする点において、面白くないにきまっているが、これとても
苦になるほどではない。ただ森本の浮世の風にあたる運命が近いうちに終りを告げるとす....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
らない立場におって、申し合せたように一致した態度に出る事もたくさんあるから、そう
苦になるほどの混雑も起らないのであります。(少なくとも実際上)ジェームスと云う人....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
るさの講中の気勢、団扇太鼓の拍子どりして歩む時には、ただそれ無我夢中で、遠い路が
苦になるでもない。 殊におかしいは他宗他門の人々、このお会式にも見物を怠らず、....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
れがあまり感じのよくない道路である。それで特に雨の降る日などは、この金曜日が一倍
苦になるのであった。ところが妙なことには、どうかして金曜日に雨のふるまわりが来る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
じてくるのであります――この冷たい水の中に、尤《もっと》もまだ秋のはじめで、水が
苦になる時でないとはいえ、今までの怖ろしかった心が、だんだんに消えて行って、水の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てやることになりますから、与八としてはやっぱり日課を拡大しただけの程度で、特別に
苦になるということもありません。 しかし、教育者そのもの、つまり先生でありお師....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「人間、好きな道には命さえ投げ出すよ、仕事というものは、外《はた》で人の見るほど
苦になるものじゃない」 駒井がここへ来て、新しい研究に熱中の度を加えたとの評判....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
、まだ子供で、人形と遊ぶことが、なによりのたのしみでした。けれど、このベスにも、
苦になることがありました。それは、音楽好きなのに、よいピアノもないし、音譜もない....
「中庸」より 著者:坂口安吾
らいの楽しみがせいぜいだね。そんな私だから、それが日課ときまれば毎日定刻の出勤は
苦になるどころか、身体にもよろしかろう」 そんな軽い気持で引受けてしまったので....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
んばまる一んち、おかみさんを両手で抱っこしていろって言われたところで、どだいもう
苦になるどころか、ただもうぞくぞく嬉しいばかりだろうってね。」 「ひどいよ、まる....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
勝手に用いて、なるたけ楽に天国へ行くんだね」 と、P氏は笑って呟いたが、矢張り
苦になるところから、その日になると、――時間だけはグット遅くらせて――彼女の部屋....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
りにそれが気になってならぬ。 家主の女主人の処に見知らぬ人が来さえすればそれも
苦になる。門の呼鈴が鳴る度に惴々しては顫上る。巡査や、憲兵に遇いでもすると故と平....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
したっけ。
ファウスト
何かそんな物がなくては困るよ。
手ぶらで行くのは
苦になるからなあ。
メフィストフェレス
そうでしょう。只文目で面白い目を....