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「苦慮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

苦慮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
てくよくよしている。そして、その生活と芸術との間に、正しい関係を持ちきたしたいと苦慮している、これが私の心の実状である。こういう心事をもって、私はみずからを第一....
懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
さが、一ばん大事である。古来、名工と言われるほどの人は、皆この重さについて、最も苦慮した。 などと、もっともらしい顔して家の者たちに教えてやると、家の者たちは....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た、万事はよろしく君らの方で談判ありたいとのきわめてあっさりとした挨拶だ。なんら苦慮の様子もないには、駿河も左京と顔を見合わせた。 そこへ大きな外国船だ。やが....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
かね候よし申しいで候。小生らにおいても御厚意を奉体つかまつらざる場合に落ち行き、苦慮|一方ならず、この段|御宥恕なし下されたく、尊君様より皆々様へ厚く御詫び申し....
惜別」より 著者:太宰治
のほうでは、周さんと逢って話をしている時だけは、自分のれいの言葉の訛りに就いての苦慮から解放されるという秘密のよろこびがあって、そんな事が二人の親しい友交を成立....
創生記」より 著者:太宰治
ドノアツキ握手。 石坂氏ハダメナ作家デアル。葛西善蔵先生ハ、旦那芸ト言ウテ深ク苦慮シテ居マシタ。以来、十春秋、日夜転輾、鞭影キミヲ尅シ、九狂一拝ノ精進、師ノ御....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
き処なしと、依て今後は如何なる事実に陥るか。とて片山夫婦は勿論高橋富藏も共に大に苦慮して、何れも落胆の極に至り、或は各自决する事ありて一身を退かんと欲するが如く....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
に日曜の休暇を与えないがよいという説である。 自分は開業以来この問題のため幾回苦慮したであろう。幾人の意見をきき、そうして自分はますます迷った。けれどもついに....
次郎物語」より 著者:下村湖人
んなことになるかわからないわ。」 次郎は腕組をしてだまりこんだ。彼はさっきから苦慮していたのも実はそのことだったのである。彼は、留任運励そのものが、すでに朝倉....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
病臥を余儀なくされ、後年郷里の家君を亡い、つづいて実家の破産に瀕するにあい、心痛苦慮は一通りでなかった。やがて更年期の心神変調が因となって精神異状の徴候があらわ....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
。 前略、御健勝の由慶賀に存じ候。さりながら自今御窮迫との御事、それしきの境遇苦慮するに足らずと、遠方より御声援申上げたく候。 さて、小生は先頃より貴台の御....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、最早着席|罷在る次第――開会は五時と申すに、既に八時を過ぎました。幹事連の焦心苦慮|偏に御賢察願いたい。辛うじて御当家、お内儀、御新造と連立って、公園から、も....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
夫は平ヶ岳で案外時日がかかるので、蕎麦蒔きに遅れるからと断って帰った、白井が百方苦慮してくれたが、只見川から尾瀬沼に行く路に詳しい者がない、人夫の中の星定吉が一....
五重塔」より 著者:幸田露伴
おもえばこれも順々|競争の世の状なり。 世に栄え富める人々は初霜月の更衣も何の苦慮なく、紬に糸織に自己が好き好きの衣着て寒さに向う貧者の心配も知らず、やれ炉開....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
長フェルスター中佐の著書等にシュリーフェンがアントワープ、ナムールの隘路を頻りに苦慮するが、それより前にリェージュ、ナムールの大隘路があるではないか、それを問題....