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苫舟
「苫舟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
苫舟の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の表も読んだし――ほかに待つべき用事もないので、ヒラリと堤を降りて、橋杭のそばの
苫舟へ駈け寄っていた。 苫の下には、お杉隠居が、舟桁に身をしばられて先刻からも....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
歩いて行った。 城太郎は、その群れを、そっと走りぬけて、川尻へ駈けて行き、下の
苫舟へ向って大声で告げた。 「――お通さん。ばば殿。見えたぞ。武蔵様の乗っている....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
とやや気がついたらしく、 「近頃、岡場所のお取締りがきびしいため、大阪の川筋に
苫舟をうかべ、江戸の船饅頭やお千代舟などにならった密売女が、おびただしい殖え方を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
えて、 「しっ……」 と、苫の外へ顔を出した。 つい近くの杭に、もう一そうの
苫舟があったのである。人もなきかのようであったが、チラと小さい灯が点った。そして....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
馳けてくる。 「おうっ。お燕ちゃんじゃねえか。ここだよ、ここだよ――」 無数の
苫舟が繋っている岸辺から、やや大川筋へ下がった所に、また一艘の小舟が、苫をかけて....