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茂み
「茂み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茂みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ぱん》たる血痕《けっこん》に染まりながら、こういうことばのうちに、竹と凌霄花との
茂みを、次第に奥深く舁《か》かれて行った。
九
翌日、猪熊の....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
云わず。とある年の秋の夕暮、われ独り南蛮寺の境内《けいだい》なる花木《はなき》の
茂みを歩みつつ、同じく切支丹《きりしたん》宗門の門徒にして、さるやんごとなきあた....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
がて足もとの岩は、湿った苔《こけ》になった。苔はまた間もなく、深い羊歯《しだ》の
茂みになった。それから丈《たけ》の高い熊笹《くまざさ》に、――いつの間にか素戔嗚....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
るかな?」
「きょうは少し寒いかも知れない。」
僕等は弘法麦《こうぼうむぎ》の
茂みを避《よ》け避け、(滴《しずく》をためた弘法麦の中へうっかり足を踏み入れると....
「或る女」より 著者:有島武郎
吹き乱された小庭があって、その先は、杉《すぎ》、松、その他の喬木《きょうぼく》の
茂みを隔てて苔香園《たいこうえん》の手広い庭が見やられていた。きのうまでいた双鶴....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
らと見た瞬間、それらのことを感じると、今度は反射的に息をころしながら、道端の草の
茂みの中へ踏み込んでそこを通り抜け、駆け出さんばかりにしてそこを遠ざかった。 ....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
うとすると、大月氏は不意に手を上げて制した。 直ぐ眼の前のひときわ大きな灌木の
茂みの向うで、ガサガサと慌しげな葉擦れの音がした。人々は足音を忍ばせて近寄った。....
「河明り」より 著者:岡本かの子
柳橋の架っている神田川も知っていれば、あの渋谷から広尾を通って新開町の家並と欅の
茂みを流れに映し乍ら、芝浜で海に入る古川も知っている。だが、忍川というのは知らな....
「転機」より 著者:伊藤野枝
堤防外のすべてのものは、それによって遮りつくされてただようように一二ヶ所ずつ木の
茂みが、低く暗緑の頭を出しているばかりである。堤防の内は一面に黄色な枯れ葦に領さ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と見とれて、時の経つのも忘れて了う位でございます。 それから又あちこちの木々の
茂みの中に、何ともいえぬ美しい鳥の音が聴えます。それは、昔鎌倉の奥山でよくきき慣....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
す。何もかも、春の初めのみずみずしい色できれいな眺めです。このとき、近くの水草の
茂みから三|羽の美しい白鳥が、羽をそよがせながら、滑らかな水の上を軽く泳いであら....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
はっていた。饗宴もたけなわと見えて、羽ばたいたり、さえずったり、ふざけたりして、
茂みから
茂みへ、木から木へと飛びまわり、周囲の色とりどりの豊富なご馳走を思うまま....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
をたたき落として正体を見破ろうと、追いつづけ、ついにその鉄棒を石切場といらくさの
茂みのあいだに追いつめたのである。 そこで執事ウィックスティード氏は、鉄棒の化....
「狐」より 著者:岡本かの子
一 上目黒渋谷境、鈴懸の仮寓、小さいが瀟洒とした茶室造り、下手に鬱蒼たる
茂み、上手に冬の駒場野を望む。鈴懸、炉に炬燵をかけて膝を入れながら、甘藷を剥いて....
「古事記」より 著者:太安万侶
のついた鍬で掘つた大根、 そのようにざわざわとあなたが云うので、 見渡される樹の
茂みのように 賑《にぎ》やかにやつて來たのです。 この天皇と皇后樣とお歌いに....