茫然自失[語句情報] »
茫然自失
「茫然自失〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茫然自失の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
。インディアンとしては、それは無理もないことだと思う。当時のインディアンは驚愕と
茫然自失の外に、途がなかったのだ。しかしわれわれの場合はどうであろうか」 「なん....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
今まで唯一の問題になっていた本人が、突然はいってきたのだから、みんな相顧みて
茫然自失というありさまだ。さすがの政さんも今までお前さんのうわさをしていたのさと....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
夢のような気がするとは、同じ馬籠の宿役人仲間の一人が彼に話したことだ。彼は、その
茫然自失したような人の言葉の意味を聞き流せなかったことを覚えている。 これらの....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
、それができないので、一種の一時的な麻痺《まひ》状態に陥るんだね。だが、僕がこの
茫然自失の状態から回復すると、その暗合よりももっともっと僕を驚かせた一つの確信が....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
数箇国の町村に跨がって、十万不冥の死者を出した災変を面のあたり見せられて、何人か
茫然自失しないものがあるだろうか。 世俗の怖れる二百|十日の前一日、二三日来の....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
らは水を吹き、火を吐き、海辺の国には潮が怒って無数の人畜の生命を奪うのに対して、
茫然自失、僅かに地震の神を祭ってその禍を免れようとしたのは無理もないことである。....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
たので、あッと絶叫したが、理学士は愕然として可恐い夢から覚めたのである。 拓は
茫然自失して、前のまま机に頬杖を突いた、その手も支えかねて僵れようとしたが、ふと....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
りはむしろ驚きの感に先きだたれた。したがって、涙にくるると言うよりはむしろ、ただ
茫然自失という体であった。すると、この知らせのあった翌日、君が面会に来た。そして....
「中庸」より 著者:坂口安吾
れたものか。まだしも少将に進級しての予備役ならば慰めるところもあったのだが、余は
茫然自失、あまりの恥辱に自決を考えたこともあった。 その後、心をとり直して海軍....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
間もすぎて、まだこの原稿にかかっているにはワケがある。 私も上野ジャングルには
茫然自失した。私がメンメンとわが不良の生涯を御披露に及んだのも、かかる不良なる人....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
救うべからざる憂欝に陥ってしまったのであった。彼は坐席に凭れて、沈思のために全く
茫然自失の容子であった。しかしもちろん我々の馬車の両側には、とても興味ある眺望が....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
そして家康の一生には、その武将としての足跡には、三方ヶ原の敗戦このかた蒼ざめて
茫然自失した跡などは見られないが、しかも事件突発の当初に於てはそれが五十すぎても....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
からも無限に繰り返されるであろう常套事に直面して、ある者は泣き、沈み、あるものは
茫然自失し、ある者は鍵束を床へ投げつけ、ある者は夢かと疑い、楽隊はためらい、万年....
「はつ恋」より 著者:神西清
たですか、僕の言ったことが?」 わたしはちらりと彼の顔を見たばかりで、相変らず
茫然自失のていで突っ立っていたが、その間に令嬢はまた椅子の上に飛び乗ると、またも....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
りの悲しさの時は却って泪など出ないものだという事を始めて知りました。私の場合は、
茫然自失したという言葉が一番あてはまっていると思います。全く私は余りの事にどうし....