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茶事
「茶事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
熊は説明した。 世間のことはなんでも心得ているように思ったが、残念ながら半七は
茶事に暗かった。彼は我《が》を折って又訊いた。 「雁の羽をどうするのだ」 「三つ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
において、お抱えのお茶師が封を切り、新茶をおすすめまいらする……これを封切りのお
茶事と申しまして、お茶のほうでは非常にやかましい年中行事の一つでございます」 ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
なく炉縁も何処へ伝はり候や不明、姉妹共故人となられ其後の事存じ申さず候。只圓翁の
茶事に疎かりし事は御説の通りに候。そこに只圓翁の尊さが出て来るのに候。只圓翁の茶....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
では無い、政宗も底倉幽居を命ぜられた折に、心配の最中でありながら千利休を師として
茶事《さじ》を学んで、秀吉をして「辺鄙《ひな》の都人」だと嘆賞させたが、氏郷は早....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
。 「あれほど申しつけておいたのに、何故あって数寄屋にこれを掛けぬのじゃ。今日の
茶事を何と心得おるか。」 主人の手に虚堂の懸物を見た二人は、はっと恐縮して、亀....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
の姉たき子は紳商|益田孝《ますだたかし》男爵の側室である。益田氏と山県氏とは単に
茶事《ちゃじ》ばかりの朋友《とも》ではない。その関係を知っているものは、彼女たち....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
いうを訪ねるためであった。この人は松山城下で錦雲舎という菓子屋の主人であったが、
茶事も裏千家の高弟で、また俳句は大阪の芹舎の門人であったので、廃藩後は京都へ住居....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
新茶を取りに宇治へやった壺……厳重に封をして当方へ持ち帰り、御前において封切りの
茶事を催して開くのです。そんな、一風の申すような地図など入っておるとすれば、とう....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
元年五月|安南船長崎に到着候時、三斎公は御薙髪遊ばされ候てより三年目なりしが、御
茶事に御用いなされ候珍らしき品買い求め候様|仰含められ、相役横田清兵衛と両人にて....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
は茶の湯というものは、貴族的のもので到底一般社会の遊事にはならぬというのと、一は
茶事などというものは、頗る変哲なもの、殊更に形式的なもので、要するに非常識的のも....
「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」より 著者:森鴎外
|安南船長崎に到着候節、当時松向寺殿は御薙髪遊ばされ候てより三年目なりしが、御|
茶事に御用いなされ候珍らしき品買求め候様|仰含められ、相役と両人にて、長崎へ出向....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
一つにはそうしたやるせないさびしさの心やらいもあって、故郷の昔の恋しさのあまり、
茶事の物語にことよせて大和心のやさしい動きをイギリス文字に写し試みたのが、察する....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
読し、熱心鋭意して禅の工風に耽っていた。が、衛養療法や静座法を研究する意で千家の
茶事を学ぶに等しい二葉亭の態度では禅に満足出来るはずがないのが当然で、結局禅には....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
して、次のようなことをいい、新聞種にまでされたことがある。 「今人がやっているお
茶事というものは、驚くべき無力平凡の結果として、まったく意識なしに、おろかにも人....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
平和な気風が出雲人に及ぼした影響は大きかったと思います。松江を始めこの国の町々は
茶事が盛で、面白いことにはほとんど凡ての家庭に行き渡り、車夫までが待合う間に一服....