茶棚[語句情報] » 茶棚

「茶棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
よ」 といって思いきり彼らしい調子を上げて笑い崩した。おぬいさんはその時立って茶棚の前に行っていたが、肩越しにこちらを振り返って、別に驚きもしないようににこに....
婦系図」より 著者:泉鏡花
なさい、まだ驚かして上げる事があるわ。」 と振返りざまに背後向きに肩を捻じて、茶棚の上へ手を遣った、活溌な身動きに、下交の褄が辷った。 そのまま横坐りに見得....
黒髪」より 著者:近松秋江
がっていった。すると、階段のすぐ取付きは六畳の汚れた座敷で、向うの隅に長火鉢だの茶棚などを置いてある。そして、その奥にはもう一間あって、そちらは八畳である。 ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
りて行った。そして仲通りで彼の金持の友人の買いつけの店へ誘って見た。手炙り、卓、茶棚など桑や桐で指された凝った好みの道具がそこにぎっしり詰まっていた。葉子は桑と....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
とんにすわッがいい。――松、和女郎はもうよかで、茶を入れて来なさい」と自ら立って茶棚より菓子鉢を取り出でつ。 「まるでお客様ですな」 武男は葉巻を一吸い吸いて....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
間にて、土地の方言茶の室と呼べり。その茶の間の一方に長火鉢を据えて、背に竹細工の茶棚を控え、九谷焼、赤絵の茶碗、吸子など、体裁よく置きならべつ。うつむけにしたる....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
よ」 幸「チョッ静かにしねえか」 由「あ痛い……何うも是は痛い、暗いもんだからお茶棚の角へ頭を打附けました、木齋に此の角を円くさせて置いて下さいな」 幸「お前後....
次郎物語」より 著者:下村湖人
品物をもとのところに納めるのが、次郎の役目のようになってしまった。 これまで、茶棚や、戸棚や、火鉢の抽斗ぐらいより覗いたことのなかった次郎は、長持や、箪笥の奥....
次郎物語」より 著者:下村湖人
頬をゆがめた。 「ところで――」 と、運平老は、急に思い出したように、うしろの茶棚にのせてあった一枚の葉書をとって、それを俊亮の方にさし出しながら、 「きのう....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、お内儀さんは、次郎のそんな様子には無頓着なように、ひょいとうしろ向きになって、茶棚の袋戸をあけ、中から一本の燗徳利を出して、それを畳の上に置いた。そしてあらた....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
敷の方へお洲美さん。負けてはいないな、妹よ、何だか胸が熱くなる。紺の袴は、入口の茶棚|傍を勢い然るように及んで、着席です。 「牛が宜しい……書生流に、おおん。」....
式部小路」より 著者:泉鏡花
もいわないで、への字|形の口で、へへへへはちと気障だったよ、あああ。」 と傍の茶棚の上へ、出来て来たのを仰向いてのせた、立膝で、煙草盆を引寄せると、引立てるよ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、そのお悦の袖の下にあった、円い、白い、法然頭である。この老人は、黒光りのする古茶棚と長火鉢の隅をとって、そこへ、一人で膳を構えて、こつねんと前刻から一人で、一....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。室の正面には椅子三脚とネパール製の白布の長方形の厚い敷物があり、欧州風の黒檀の茶棚の上にはネパール製の女神の獅子に乗って居る白色の置物あり、その傍の壁の柱には....
挿話」より 著者:徳田秋声
ど」 「辰之助もよく食べるね」 「あの人は何でもや。来るたんびに何かないかって、茶棚を探すのや。お酒も好きですね」お絹は癖で、詰まったような鼻で冷笑うように言っ....