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「茶湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂人は笑う」より 著者:夢野久作
急ぎで天幕張りの露営地に帰って来ます。そうすると待ち構えていた茶博士……つまりお茶湯の先生たちですね。それが崑崙茶の新芽を恭しく受取って、支那人一流の頗付きの念....
少年時代」より 著者:幸田露伴
って往こうというので、私は毎朝定められた日課として小学校へ往く前に神様や仏様へお茶湯を上げたりお飯を供えたりする、晩は灯明をも上げたのです。それがまた一ト通のこ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
丈夫と見ました。時に、あすは十一月の十日にもなりますし、仏事をしたいと思って、お茶湯のしたくに取りかかりましたよ。御都合がよかったら、あなたにも出席していただき....
田舎教師」より 著者:田山花袋
ちもないものですから……」 郁治の母親はやがて帰って行く。清三も母親もふたたび茶湯台に向かった。親子はやはり黙って夕飯を食った。 湯を飲む時、母親は急に、 ....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
挨拶を申したい。 村越 仏壇がまだ調いません、位牌だけを。 七左 はあ、香花、お茶湯、御殊勝でえす。達者でござったらばなあ。 村越 (涙ぐむ。) 七左 おふくろ....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
いて、考えると見ればお菜の献立、味噌漉で豆腐を買う後姿を見るにつけ、位牌の前へお茶湯して、合せる手を見るにつけ、咽喉を切っても、胸を裂いても、唇を破っても、分れ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
だす。先頭が両国橋へかかる時分に、まだ中頃のが足揃いをしている。御本体が出て、お茶湯《ちゃとう》が一番最後に出てゆく。 ある日もアンポンタンはおまっちゃんと四....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
見えにけり」 「玄以玄以」と秀吉は呼んだ。「鳥渡風流だな。何者か?」 「一興ある茶湯者でございます。堺の住人とか申しますことで」 「おおそうか、寄って見よう」 ....
茶粥の記」より 著者:矢田津世子
ら、ウコギやウルシの若葉のおひたし、山蕗の胡麻よごしを思い描く。それから初風炉の茶湯懐石の次第にまで深入りする。汁、向う付、椀、焼物……と順次に六月の粋を味わい....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
んなにはないよ。猿面冠者の方かね。太閤様だな。……ハハハ。せい公そうだろう?」と茶湯台の向うに坐ってお酌していた茶店の娘に同感を強いるような調子で言った。 「そ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
芸を加えた食物を肴にしたので、料理はもっぱら是に由って発達した。簡素を生命とした茶湯の席でも、客は客だからその食品を精選しなければならなかった。殊に珍しい賓客に....