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茶箱
「茶箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
物は会社に依頼して先へ送り出した。私は本町の角にある茶店《ちゃてん》から、大きな
茶箱を二つ求めて来て、書籍のたぐいはそれに詰めた。箪笥《たんす》でも、本箱でも、....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
茶の重税に堪えかねて人間の忍耐力も尽きてしまった。アメリカの独立は、ボストン港に
茶箱を投じたことに始まる。 茶の味には微妙な魅力があって、人はこれに引きつけら....
「家」より 著者:島崎藤村
いと来てましょう。ホラ、あのお繁の亡くなった時には、山から書籍を詰めて持って来た
茶箱を削り直して貰って、それを子供の棺にして、大屋さんと二人で寺まで持って行きま....
「縮図」より 著者:徳田秋声
。均平の机も箪笥とけんどんの間へ押しこまれ、本箱も縁側で着物の入っている幾つかの
茶箱や、行李のなかに押しこまれ、鼓や太鼓がその上に置かれたりした。もちろん彼は大....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
、刀? だが、子供では、他《はた》が買わせやしなかったろうが――え、なに、本?」
茶箱に何ばいかの書籍、それを担《かつ》がせて、意気揚々とおちび少女は帰っていった....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
さなくては駄目ね」と答えたのである。 さればコン吉は、その薄鉄板《ブリキ》製の
茶箱の前後に、生来キョトキョトと落着かぬ視線を走らせて眺めるところ、これは十年ぐ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
えを背後に聞き流して、湿っぽい大店の土間を、台所の飯焚釜《めしたきがま》の前から
茶箱の並んでいる囲い伝いに、藤吉と彦兵衛の二人は常吉に案内させて通って行った。 ....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
うよい資財に恵まれて、仕事が栄えたともいえましょう。 高松市といえば例の漆塗の
茶箱や茶盆が想い出されます。刀の削り跡を残したやり方で、一時は随分盛な売行をみせ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
るほど嬉しくなり、この名案に感心してしまいました。 私は衣類の入れ替えと称して
茶箱の中に彼を入れ、自動車で運びました。大きい荷物の出し入れは毎度の事なので信託....