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茶袋
「茶袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「美少女」より 著者:太宰治
せていて胸が鎧扉《よろいど》のようにでこぼこしている。黄色い肌で、乳房がしぼんだ
茶袋を思わせて、あわれである。老夫婦とも、人間の感じでない。きょろきょろして、穴....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の人にはお判りのないことで……」と、半七老人は笑った。「幕府の歩兵には、豹だの、
茶袋だのという綽名《あだな》が付いていました。将棋の駒の歩《ふ》は歩兵《ふひょう....
「足迹」より 著者:徳田秋声
声に触れ立てると、衆はぞろぞろと棺の側へ寄って行った。 細長い棺の中には、布の
茶袋が一杯詰められてあった。冠り物や、草鞋のような物がその端の方から見えた。生前....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
見送った。
夕方台所が賑やかなので、出て見る。真白に塗った法界屋の家族五六人、
茶袋を手土産に、片山夫人と頻に挨拶に及んで居る。やがて月琴を弾いて盛に踊った。
....
「球根」より 著者:寺田寅彦
九月中旬の事であった。ある日の昼ごろ堅吉の宅へ一封の小包郵便が届いた。大形の
茶袋ぐらいの大きさと格好をした紙包みの上に、ボール紙の切れが縛りつけて、それにあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、 「これ神妙にしろ、いま公儀へ対して無礼の言を吐いたものは誰だ」 ズカズカと
茶袋《ちゃぶくろ》が一人入って来ました。入って来ると共に
茶袋は、店前《みせさき》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はなんといっても相応に警戒が届いている。ことにこのごろ、募集した歩兵隊――一名|
茶袋《ちゃぶくろ》は烏合《うごう》の寄せ集めで、市民をいやがらせながらも、ともか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
並はわかっているではないか。しかし、昔をいえば道庵も、江戸市中の持余し者であった
茶袋の歩兵を見事に取って押えて、群集をアッといわしたことがある。あれは天神真揚流....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。新造が立って表の障子を細目にあけて、楼上から見下ろしてハタと締め切り、 「
茶袋が参りましたよ、
茶袋が」 「おや、歩兵さんがおいでになったの、まあ悪い時に」....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お見上げ申したもんだ。いつぞやはまた上野の山下で、持余《もてあま》し者《もの》の
茶袋を、ちょいと指先をつまんで締め上げて、ギュウと参らせてしまったところなんぞは....
「露肆」より 著者:泉鏡花
が染んだ時の状を目前に浮べて、ぎょっとした。 どうやら、片手無い、その切口が、
茶袋の口を糸でしめたように想われるのである。 「それには及ばんですよ、ええ、何の....
「きのこ会議」より 著者:夢野久作
うものがあります。見るとそれは蠅取り茸、紅茸、草鞋茸、馬糞茸、狐の火ともし、狐の
茶袋なぞいう毒茸の連中でした。 その大勢の毒茸の中でも一番大きい蠅取り茸は大勢....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
、娘は小半日ばかり稲田のなかを歩きまわって帰り来り、今年は蝗がいませんと言って、
茶袋を縁先へ投げ出したのである。見れば、袋のなかに僅かに十数匹の蝗が、飛び脚を踏....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
鍋の粥が煮あがるちょっと前に小袋の茶を入れたほうが匂いも味もずんと上である。この
茶袋の入れかげんがまことに難かしい。お粥の煮える音でそのかげんをはかるので姑はお....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
っています、なにも姉御の前だからとて軽薄を云うではありませぬが、真実に内の親方は
茶袋よりもありがたいとおもっています、いつぞやの凌雲院の仕事の時も鉄や慶を対うに....