草の黄[語句情報] » 草の黄

「草の黄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

草の黄の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
サフラン」より 著者:森鴎外
ように、段々球根も殖えることだろう。 硝子戸の外には、霜雪を凌《しの》いで福寿草の黄いろい花が咲いた。ヒアシントや貝母《ばいも》も花壇の土を裂いて葉を出しはじ....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
た。意気地なし、臆病。烏瓜、夕顔などは分けても知己だろうのに、はじめて咲いた月見草の黄色な花が可恐いらしい……可哀相だから植替えようかと、言ううちに、四日めの夕....
白くれない」より 著者:夢野久作
の石の鳥居にも背を向け、足に任せて早岐の方を志す。山々の段々畠に棚引く菜種、蓮花草の黄に紅に、絶間なく揚る雲雀の声に、行衛も知らぬ身の上を思ひ続けつゝ、幾度とな....
スポールティフな娼婦」より 著者:吉行エイスケ
女の×のなかにいた。紫色の衣服をつけたお六が、私の肩に手を巻くとそっぽを向いて煙草の黄色いけむりを吐きだした。 私は強烈なアブサン酒をあおると、彼女に言った。....
源氏物語」より 著者:紫式部
三十日であったから、山の紅葉《もみじ》は濃く淡《うす》く紅を重ねた間に、霜枯れの草の黄が混じって見渡される逢坂山の関の口から、またさっと一度に出て来た襖姿《あお....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
水明りの加減であろう。 初夏ならばこの辺、佐久地方の高原から流れて繁殖した月見草の黄色さで夜も明るい。今秋草は川洲のどこにも伸びていた。 ピピピ、ピピピ、と....