草分け[語句情報] »
草分け
「草分け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草分けの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
を開拓し、ついに今日のような美しい農作地を見るに至りました。もとより開墾の初期に
草分けとしてはいった数人の人は、今は一人も残ってはいませんが、その後毎年はいって....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
よ。いいかい……」
「……………」
「……ところでその頃の福岡附近は所謂、角帽の
草分け時代で『末は博士か院長さんか』と芸者連が唄うくらい大学生大持ての時代であっ....
「日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
ある。もっともこれに連関しては昔レーリーがガラス板の上で茶わんをすべらせたりした
草分けの実験から始まって、その後ハーディの有名な研究(物理学|文献抄第一集二五八....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いのは、母や夫の眼にも付いたが、別に深く注意する者もなかった。加賀屋はここらでも
草分け同様の旧家で、店では糸や綿を売っているが、主人の才兵衛は、八、九年前に世を....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
小袴の股立とつて相撲かな 小角力の水打つて居る門辺かな 魂棚の前に飯喰ふ子供かな
草分けて犬の墓にも詣でけり 墓拝む後ろに高き芒かな 草市の立つ夜となりて風多し ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が、そうなると、それまでのバラック小屋は年々とりこわされて新しく装いをととのえ、
草分け当時のバラックの名は知ることのできないのが多い。飛龍座はまアいくらかマシな....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
盤投のフィニッシュには狂いがあった。腰が流れていたのである。あのころは陸上競技の
草分け時代で、コーチにつくことができないから、概ね我流でやらざるを得なかった。し....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
うに、一抹の旅愁を引くのに充分であった。 それは、カウボーイの土地である。未だ
草分け時代の空気が、澱んでいる。石と打つかっても、林に這入っても、人と自然が肉迫....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
る。この地方では、たいてい六七年目に手向(羽黒)から巫女が来て着せるのだという。
草分けとも言われる古い家に限って祭るもので、着物は上へ上へと重ねるのであるから、....
「八の字づくし」より 著者:古川緑波
の洋食は、ワアッとひらけた。 町名を忘れたが、今松というグリルが、戦後の洋食の
草分けではないのか。これが、松阪屋裏の、バンガローとなって、こくのあるフランス料....
「山の人生」より 著者:柳田国男
鬼ノ宮に、鍬は藤田という家に伝わっているそうだが、藤田は多分弥十郎の末ですなわち
草分けの家であったろう。南部の方でも三戸郡の荒沢不動に、山男の使った木臼が伝わっ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
のほかの士馬全軍を移して、爾後、姫路の新城を根拠とすることになった。 この山の
草分けである官兵衛の父宗円は、さすがに回顧のなつかしさ切なるものがあるらしい。彼....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
葉を添えるので、コワルスさんもあかくなって微笑していた。コワルスさんは何でも豊原
草分けの宣教師で、独身で、土地の信教の為にはほとんど一人で尽しているのだと、S君....