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草子
「草子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おげんは微笑みながらうなずいた。片明かりの行燈は男と女の影を障子に映して、枕の
草子の作者でなくても、憎きものに数えたいような影法師が黒くゆらいでいた。庭で銀杏....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
も明治頃までは、下駄の形の称に外法というのがあった。竹斎だか何だったか徳川初期の
草子にも外法あたまというはあり、「外法の下り坂」という奇抜な諺もあるが、福禄寿の....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ょっと言葉を切って、にやりとした。 「一代男というと……。」皆は頭のなかで、この
草子の主人公世之助が、慾望の限を尽した遊蕩生活を繰返してみた。そして人情のうらお....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
で睨んで見れば、どうやら近頃から逗留した渡りものの書生坊、悪く優しげな顔色も、絵
草子で見た自来也だぞ、盗賊の張本ござんなれ。晩方|来せた旅僧めも、その同類、茶店....
「露肆」より 著者:泉鏡花
店の電燈|瓦斯の晃々とした中に、小僧の形や、帳場の主人、火鉢の前の女房などが、絵
草子の裏、硝子の中、中でも鮮麗なのは、軒に飾った紅入友染の影に、くっきりと顕れる....
「蚤」より 著者:斎藤茂吉
らかに過ごすことが出来たのである。 蚤という昆虫はいつ日本に渡来したものか、枕
草子に、『もたぐるようにして』などと書いてあるところを見ると、あのあたりの平安朝....
「二十一」より 著者:坂口安吾
言ってらあ、と、男は僕には意味の分らぬことを言い、数冊の本を見本に持ってきて、枕
草子を書くことになった。出来たらオッカアに言って金を貰いな、又おいで、小遣い稼ぎ....
「冷かされた桃割娘」より 著者:上村松園
専の中井宗太郎教授の姉さんは今もなお御健在です。思えば瞼に写る走馬燈は限りない絵
草子を拡げます。 (昭和十一年)....
「想い出」より 著者:上村松園
私に伝わっているのかも知れません。私がまだ子供の時分、私はよく母にねだりまして絵
草子を買って貰いましたが、私がねだらなくとも、よく自分から買ってきまして、私に与....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
く空想の国には相違ないが、我が清涼殿の荒海の障子には、これを絵に書いてある事が枕
草子にも見えて、人口に膾炙しているところである。信州諏訪には手長大明神・足長大明....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
はしける。 我と云へばつらくもあるか嬉しさは、人に従ふ名にこそありけれ。 枕
草子に、 てづからは声もしるきに、はしたものなどは、されどよし。 栄花物語根合....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
にも、 十にあまりぬる人は、ひいな遊びは忌みはべる物を、 など見えている。また枕
草子にも、「過ぎにし方恋しきもの」という中に、「ひいな遊びの調度」ということを数....
「大力物語」より 著者:菊池寛
れは近江のお兼である。この女のことは江戸時代に芝居の所作事などにも出ているし、絵
草子にも描かれている。 この女は、琵琶湖に沿うたかいづの浦の遊女である。彼女は....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
法師で、俗人を夫に持っている類のものも、すでに平安朝の中頃にはあったらしい。『枕
草子』に、乞食の女法師が仏供の撤下物を貰いに来た話がみえている。「男やある」、「....
「濫僧考補遺」より 著者:喜田貞吉
する称呼であるが、婦人すなわち尼法師にも、やはり古くこの徒があった。清少納言「枕
草子」「物の哀知らせ顔なるもの」の条にこれについて面白い記事があるから、平安朝の....