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草書
「草書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
》を帯びたのは、半ば無意識にあらわれたる、心の波を、手持無沙汰《てもちぶさた》に
草書に崩《くず》したまでであって、崩したものの尽きんとする間際《まぎわ》に、崩す....
「草枕」より 著者:夏目漱石
ようかと思っとったところじゃ」と云う。この僧は六十近い、丸顔の、達磨《だるま》を
草書《そうしょ》に崩《くず》したような容貌《ようぼう》を有している。老人とは平常....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 わたしがいつでも通される横六畳の座敷には、そこに少しく不釣合いだと思われるような大きい立派な額がかけられて、額には
草書で『報恩額』と筆太にしるしてあった。嘉永|庚戌、七月、山村菱秋書という落款で....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
いう字の俗字でござる。これは篇海にも出て居ります哩。又、説文長箋には泉という字の
草書じゃと、此様に記してもござります哩。而て泉は銭に通ず、即ち、匁は銭と同じじゃ....
「観画談」より 著者:幸田露伴
ったもので、律詩の一、二章も座上で作ることが出来て、ちょっと米法山水や懐素くさい
草書で白ぶすまを汚せる位の器用さを持ったのを資本に、旅から旅を先生顔で渡りあるく....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
読めばすぐに記憶するばかりか、大きい筆を握ってよく大字をかいた。篆書でも隷書でも
草書でも、学ばずして見事に書くので、見る人みな驚嘆せざるはなかった。宗はもとより....
「木下杢太郎『唐草表紙』序」より 著者:夏目漱石
一つ比喩を改めて云えば、あなたの文章は楷書《かいしょ》でなくって悉《ことごと》く
草書です。それも懐素のような奇怪な又|飄逸《ひょういつ》なものではありません、も....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
な大会社である。看板をみると大変だ。天草商事の下に「天草ペニシリン製薬」だの「天
草書房」だの「天草石炭商事」だのと十幾つとなく分類がある。 すでに五十年配の求....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
ソノ素性ヲ探ルト、イズレモ漢字ヲ極端ニ崩シタモノニスギナイ。スナワチ形カライエバ
草書ト少シモカワリハナイノデアル。シカルニ
草書ト楷書ハ、コレヲ混ゼコジヤニ布置シ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
う読んでいいかわからないように書いてあり、額には漢字が五字ほど、これも読みにくい
草書体で書いてあった。次郎には、むろん、何が書いてあるのやらさっぱりわからなかっ....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
、或る人が此の禅僧に書を頼んだ事がありました。 円通は興にまかせて流るるような
草書を書いて与えました。受取った人は大悦び、美しい筆の運びに眼を細めましたが、さ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の固っていた処だ。」 正面に、 葛飾郡永代築地 と鐫りつけ、おもてから背後へ
草書をまわして、 此処寛政三年波あれの時、家流れ人死するもの少からず、此の後高....
「少年の食物」より 著者:木村荘八
。 それから同じ室の床の間に、大字で「来者不拒、去者不追」と二行に書き下ろした
草書の大幅がかかっていました。右の行の不がふと書いてあって左の行の初めの去が、こ....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
かぎりを尽してその上に背伸びまでしているところがある。見よとばかりの努力で出来た
草書ではあろうが、著しい天才が生んだ自然的な美しい素直な
草書ではない。同じ好き心....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
真直ぐに登るとこけやすい。 突然私達の行手に渓を横切って大きな岩礁が顕われた。
草書の「以」の字に似ている、丸く盛り上った全渓の雪は、四つに岐れて狭い口からドッ....