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「草笛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

草笛の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
やいて星空を見あげていました。突然、くすりがきいてきて、女は、ひゅう、ひゅう、と草笛の音に似た声を発して、くるしい、くるしい、と水のようなものを吐いて、岩のうえ....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
にもつて行つたシガレットに火をつけてやろうとした。 ちようどその時、庭の方から草笛のような声が聴えて来た。窓があけてあつたので私ははつきりきくことが出来たのだ....
罌粟の中」より 著者:横光利一
を走っている自分のことをもう忘れた。それはちょうど、遠い流れの向うから聞えて来る草笛の音のような、甘酸っぱい感傷の情のおもむきで、ひたひたと身に迫って来る水に似....
青草」より 著者:十一谷義三郎
っしょに小学校に通っていた。雨の日は同じ傘で帰ったり、お天気には月見草や手鎖りや草笛に誘われていっしょに道草を食ったり、それからもちろん意地の悪い友だちの冷評と....
金狼」より 著者:久生十蘭
はっきりときこえる。 二十日鼠は背中を丸くして、歯の間から荒い呼吸をしていた。草笛のように甲高くヒュウヒュウ鳴る音は、血の滴る陰気な音と交りあって、ひとの気持....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
(長谷川幸延君と会うと私はよくこの亡友の話をする)で、その幕下に今も懇篤な作曲家草笛道夫君がいる。やがて三遊亭金馬君がこの社からさっそうと売り出すのであるが、あ....
樹氷」より 著者:三好十郎
。 春子 すると、このへんズーッと佐久ね? 勝介 そうだ。どうかしたのか? 春子草笛がちっとも聞えないわね、それにしちゃあ? 勝介 草笛と? 春子 島崎藤村よ。....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
蒲公英をピーピーバナ、東上総の海岸でビンビバナというもので、これはあの茎を切って草笛を作って吹いた者の、記念であったことは言うまでもない。西の方では摂州の有馬郡....