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「草箒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

草箒の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
守の家」より 著者:伊藤左千夫
かった。自分が姉を見上げた時に、姉の後に襷《たすき》を掛けた守《も》りのお松が、草箒《くさぼうき》とごみとりとを両手に持ったまま、立ってて姉の肩先から自分を見下....
」より 著者:島崎藤村
庭の植木を愛するように、その草花の手入をしたり、綺麗に掃除したりした。 お種は草箒を手にして、石段の下へも降りて行った。余念なく石垣の草むしりをしていると、丁....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
して二月二十七日を都落の日と定め、其前日二十六日に、彼等夫婦は若い娘を二人連れ、草箒と雑巾とバケツを持って、東京から掃除に往った。案外道が遠かったので、娘等は大....
小祝の一家」より 著者:宮本百合子
れず薄い蒲団をあげた。 勉が寝不足で蒼く乾いた顔を洗う間、祖父《じっ》ちゃんは草箒で格子の前あたりをちっと掃き、掃除のすんだ部屋へ上って坐った。アヤがチャブ台....
日々の映り」より 著者:宮本百合子
て不知案内な顔つきで一寸佇んでいたひろ子は、ふっと思いついたという調子で、そこに草箒をつかっている割烹着のお神さんに声をかけた。 「ちょっとうかがいますが――こ....
芝居狂冒険」より 著者:夢野久作
格子の中から禿頭の親爺が出て来た。見るからに丸柿庄六と名乗りそうな面構えで、手に草箒を一本|提げていたが、万平を見ると胡乱臭そうにジロリと睨んで立止まって、ガッ....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
女 共にさみしい境遇心持をあらわし、 寒菊にいぢけてをれば限りなし みどり草箒木どれも坊主や返り花 同 みどり女氏の明るさ、元気よさがそのまま出てい....
すみだ川」より 著者:永井荷風
》する水音《みずおと》も聞える。赤い腰巻に裾《すそ》をまくった小女《こおんな》が草箒《くさぼうき》で溝板の上を掃いている。格子戸の格子を一本々々一生懸命に磨いて....