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「草臥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

草臥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親子」より 著者:有島武郎
両手を顔にあてて、下の方から、禿げ上がった両鬢へとはげしくなで上げた。それが父が草臥れた時のしぐさであると同時に、何か心にからんだことのある時のしぐさだ。彼は座....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の報酬も求めないで、番をして居た。夜になると街道に出て声の嗄れるまで吠えた。さて草臥れば、別荘の側へ帰って独で呟くような声を出して居た。 冬の夜は永い。明別荘....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
」 「なぜ、どうしたんですね、一体。」 「まあ、そろそろ歩行きましょう。何だか気草臥れでもしたようで、頭も脚もふらふらします。」 歩を移すのに引添うて、身体で....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
い。そこに燭台を傍にして、火桶に手を懸け、怪訝な顔して、 「はて、お早いお着きお草臥れ様で、と茶を一ツ持って出て、年増の女中が、唯今引込んだばかりの処。これから....
婦系図」より 著者:泉鏡花
るる洋服持。どこのか媒妁人した御縁女の贈物らしく、貰った時の移香を、今かく中古に草臥れても同一香の香水で、追かけ追かけ香わせてある持物を取出して、気になるほど爪....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
に結ぶ、灯の高きはこれなり。あるものは手にし、あるものは腰にす。 女房 貴女、お草臥でございましょう。一息、お休息なさいますか。 美女 (夢見るようにその瞳を※....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
を振って、大道で踊ったのであるから。――もっと深入した事は、見たまえ、ほっとした草臥れた態で、真中に三方から取巻いた食卓の上には、茶道具の左右に、真新しい、擂粉....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、だるいだるい、うつむけに畳に伸びた蹠を踏ませられる。……ぴたぴたと行るうちに、草臥れるから、稽古の時になまけるのに、催促をされない稽古棒を持出して、息杖につく....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
車の体に、いささか拍子抜けの形で、お望み次第のどれにしようと、大分|歩行き廻った草臥も交って、松崎はトボンと立つ。 例の音は地の底から、草の蒸さるるごとく、色....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
情。何とも言えない、と書いている下から、背負い重りのする荷は一歩ずつ重量が掛る、草臥はする、汗にはなる。荷かつぎに続いて息せいた時分から、もう咽喉の渇きに堪えな....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
どれもどれも、碌でなしが、得手に帆じゃ。船は走る、口は辷る、凪はよし、大話しをし草臥れ、嘉吉めは胴の間の横木を枕に、踏反返って、ぐうぐう高鼾になったげにござりま....
高野聖」より 著者:泉鏡花
もど》ったくらいでがす。ご坊様も血気に逸《はや》って近道をしてはなりましねえぞ、草臥《くたび》れて野宿をしてからがここを行かっしゃるよりはましでござるに。はい、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
きると寝るまで附添って、階下へも滅多にゃあ下りたことのないばかり、楽み疲れに気|草臥という形で、片手を畳について右の方に持ってなすった小杯を、気前よくつつと差し....
春昼」より 著者:泉鏡花
うな。 ト何んとなく、心寂しい。路もよほど歩行いたような気がするので、うっとり草臥れて、もう帰ろうかと思う時、その火気を包んだ靄が、こう風にでも動くかと覚えて....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
西洋館の傍なる、砂山の上に顕れた。 其処へ来ると、浪打際までも行かないで、太く草臥れた状で、ぐッたりと先ず足を投げて腰を卸す。どれ、貴女のために(ことづけ)の....