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草葉の露
「草葉の露〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草葉の露の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
カリと締上げた。 ……いや……これは不覚じゃったぞ。「武士は道に心を残すまじ。
草葉の露に足を濡らさじ」か……。ヤレヤレ……早よう小田原に着いて一盞傾けよう。 ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
軍、蒲生氏郷を左軍にして渡海しようと云った時、氏郷が大《おおい》に悦んで、人生は
草葉の露、願わくは思うさま働きて、と云ったことは名高い談《はなし》である。其事は....
「太十と其犬」より 著者:長塚節
だ。敏捷な赤蠅はけはいを覗って飛び去るので容易に捕ることが出来ない。太十は朝まだ
草葉の露のあるうちに灰を挂けて置いたりして培養に意を注いだ。やがて畑一杯に麦藁が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ればにや、日もやうやう暮れかかりぬ。野寺の鐘の入相《いりあひ》の声すごく、分くる
草葉の露しげみ、いとど御袖濡れまさり、嵐烈しく、木の葉みだりがはし。空|掻《か》....
「源氏物語」より 著者:紫式部
のである。 「悲しいことですね。恋の成り立った人のように分けて出なければならない
草葉の露に対してすら私は恥ずかしいではありませんか。ではお言葉どおりにいたします....
「土地」より 著者:豊島与志雄
方に認めて、彼はふと足を休めた。それからやがて、ふらふらと荒地の中に歩み入った。
草葉の露が彼の紺足袋を濡らし、着物の裾を濡らした。野をつき切るとすぐに、昨日まで....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
は手で抱合うて、かくす死恥旗|天蓋と、蛇目傘開いて肩身をすぼめ、おとせ、あれあれ
草葉の露に、青い幽な蛍火一つ、二つないのは心にかかる。されど露には影さすものを、....