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「荒々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荒々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
世にもすさまじい闘争がおもむろに展開されることになったのである。 ブロムは生来荒々しい騎士道精神をいくぶん持っていたので、この婦人に対する権利を決めるには事件....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
をふり上げました。 丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く音が、突然荒々しく聞え始めました。 二 その日のかれこれ同じ時刻に、この家の外....
」より 著者:芥川竜之介
ていたのも、――おれの妻を、――房子を――」 彼の言葉は一度途絶えてから、また荒々しい嗄《しわが》れ声になった。 「お前だろう。誰だ、お前は?」 もう一人の....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
見ると、片手に子供を抱《いだ》きながら、片手に「人の子」の肩を捕えて、ことさらに荒々しくこずきまわした。――「やがては、ゆるりと磔柱《はりき》にかって、休まるる....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
になって、しばらくただ狭い家の中をきょろきょろ見廻すよりほかはなかった。素戔嗚は荒々しく若者の前へ歩み寄ると、じっと彼の顔を睨《にら》み据えて、 「おい、貴様は....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
春は相変らず唇一つ動かしません。それを見た閻魔大王は、すぐに鬼どもの方を向いて、荒々しく何か言いつけると、鬼どもは一度に畏って、忽ち杜子春を引き立てながら、森羅....
」より 著者:芥川竜之介
悪いんでしょうか? 悪いんでしょうか? あなた。」 敏子の声には今までにない、荒々《あらあら》しい力がこもっている。男はワイシャツの肩や胴衣《チョッキ》に今は....
或る女」より 著者:有島武郎
年から青年になったばかりのような、内気らしい、小柄《こがら》な岡の姿は、何もかも荒々しい船の中ではことさらデリケートな可憐《かれん》なものに見えた。葉子はいたず....
或る女」より 著者:有島武郎
からな気高《けだか》いさびしみがあった。戸障子をきしませながら雪を吹きまく戸外の荒々しい自然の姿に比べてはことさらそれが目立った。葉子には岡のような消極的な心持....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ことさら暗かった。それが部屋の中をなお悒鬱にして見せる。 「飯だぞ」 Kの父の荒々しいかん走った声が店のほうからいかにもつっけんどんに聞こえて来る。ふだんから....
親子」より 著者:有島武郎
じゃなかろうが、四だろうが」 父はこんな差出口をしていたが、その言葉がだんだん荒々しくなったと思うと、突然「ええ」と言って彼から紙をひったくった。 「そのくら....
星座」より 著者:有島武郎
手になっていたくなかったので寝入ったことにしていようと思った。 思いやりもなく荒々しく引戸を開けて、ぴしゃりと締めきると、錠《じょう》をおろすらしい音がした。....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
くなったので人間は耕作の術を発明した。 世は三度めぐりて黄銅のときとなりぬ。 心荒々しく武器を取る手もいと疾く、 されどなお無慚の心はなかりき。恥知る心、規律と....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
れが五月の行事となったのも、つまりは男子の節句という、勇ましいというよりもむしろ荒々しい気風にふさわしい遊戯であるからではなかろうか。既に近松門左衛門の『女殺油....
活人形」より 著者:泉鏡花
ぬ。さあ事だ、事だ、飛んだ事だ。もう一度見ねばならない。と小洋燈の心を繰上げて、荒々しく人形の被をめくり、とくと覗きて旧のように被を下ろし、「うむ、この方は何も....