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荒し
「荒し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》か畜生か。よくも汝《われ》が餓鬼どもさ教唆《しか》けて他人《ひと》の畑こと踏み
荒したな。殴《う》ちのめしてくれずに。来《こ》」
仁右衛門は火の玉のようになっ....
「星座」より 著者:有島武郎
けていた。濛々《もうもう》と立ち罩《こ》めた煙草《たばこ》の烟《けむり》と、食い
荒した林檎《りんご》と駄菓子。
柿江は腹をぺったんこに二つに折って、胡坐《あぐ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
た。 「あッ、それは危い。ま、待て……」 「貴方は一体何者です。辻川博士の書斎を
荒し、そして秘密書類を勝手に取り出すとは……」 ドクトルは恐ろしい形相をして机....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
いたが、そのどろぼうやごうとうよりも、もっとすごい者がこの月世界にいて、この場を
荒したことを知ったら、そんな軽いため息だけではすむまい。 鉱脈《こうみゃく....
「海底都市」より 著者:海野十三
いうわけは、あまりにそういう旅行者がこの国へ入りこんで、勝手なことばかりをして、
荒しまわったものですから、それで厳禁《げんきん》ということになってしまったのよ」....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ん》だ。もう二三百年もの昔、いやそれ以前の船にちがいない。 ヨーロッパの港々を
荒した海賊船を読者は想像してほしい。その黒い影が四人の眼の前に、にょっきりたって....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ない人々は、平気で町を歩いていたものだから、火星人は、ますます図に乗って、帝都を
荒して歩いた。
だが、その中には火星人の方が、人間のためにうまくしてやられた場....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
の固だね。金と灰吹は溜るほど汚いというが、その宝を盗んで来るのは、塵芥溜から食べ
荒しをほじくり出す犬と同一だね、小汚ない。 そんなことより滝さん、もっと立派な....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
え達はきのう乃公の豆を偸んだろう。いけねえなあ、たくさん偸んだ上に、あんなに踏み
荒しては」 わたしは首を挙げて見ると、六一爺さんは、小船に棹さして豆売からの帰....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
油断して岩を枕に午睡したのがこちらの不覚。併し懐中無一文の武者修業、行先々の道場
荒し。いずれ貧乏と見縊って、腰の印籠に眼を付けたのが憎らしい。印籠は僅かに二重、....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
なんだい。」 「伊田見っていうんだ。」 「ニセじゃないかね。よくそんな奴が田舎を
荒し廻るからね。」 「うむ、じつはどうも怪しいから、お前を呼びに来たんだ。」 「....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
手にし手がないもんですから、飛んで、逗子、鎌倉、大磯ね。国府津辺まで、それまでに
荒しゃあがったんでね、二度目に東京を追出てもどこへ行っても何でしょう、おかみさん....
「西航日録」より 著者:井上円了
所感をつづる。 今朝の雪畑を荒らすと思ふなよ生ひ立つ麦の根固めとなる 苦にするな
荒しの後に日和あり 火に焼かれ風にたをされ又人に伐られてもなほ枯れぬ若桐 伐れば....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
忍び入り、家探しをした上に、少女を浚って去ったに違いない、それにしてもこの部屋の
荒しようはどうだろう。足の踏み場もない。奮然として棒立ちになっているのを見て、友....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
った。 3、倉庫給養 三十年戦争には徴発に依る事が多かったが、そのため土地を
荒し、人民は逃亡したり抵抗したりするに至って作戦に甚だしい妨害をしたのである。そ....