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「荒らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荒らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
言葉がいまにも自分の身内へ飛び込んできて、自分の心臓を滅茶《めちゃ》めちゃに噛み荒らすような気がするのだった。紀久子の心臓は熱病患者のように燃えながら顫えた。 ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
のことから、浅間の裾で砂地だから稲も良いのは作れないこと、小麦畠へ来る鳥、稲田を荒らすという虫類の話などを私にして聞かせた。「地獄|蒔」と言って、同じ麦の種を蒔....
軽井沢」より 著者:寺田寅彦
と、いないことはない。現に近くの発電所にも一匹はたしかにいるという。宿では食膳を荒らす恐れがあるから飼わないそうである。宿で前に七面鳥を飼っていたが、無遠慮に客....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
上して別れたことがあった。 私は多くの蚊よりもたった一匹の蚊、一匹の蚤が寝室を荒らすのを怖れる。彼らはまったく私を不眠症にしてしまう。多くの蚊、多数の蚤に対し....
良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
他人に教示する癖をもって暮す。その気持ちのリズムに添うて、暮さなければ夫の心情を荒らす。妻も大方のことは生徒になりたる態度をもって、夫に対侍すべし。 いっそ親....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
遁れていた。 この間も茅野雄は考えた。 (信者なら声をかけるはずだ! 「神殿を荒らす背教者でござるぞ! 出合え! 方々!」――と、こんなように! ……ところが....
話の種」より 著者:寺田寅彦
余った外は貯えておいて欲しい時に出して食い、殻は巣の内外に積んでおく。また作物を荒らす有害な野鼠や虫類なども捕って食うので農夫にとっては非常に有益なものだそうな....
俊寛」より 著者:倉田百三
なのだ。 俊寛 わしはなぜこうなのだろう。わしは呪われた人間だ。わしの魂の中には荒らす要素がある。わしの行くところはきっと平和がなくなる。わしは小さい時からその....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
だ、だから困ったのさ。……その上、いつも日本ばかりにはいない」 「ははあ、海外を荒らすので」 「支那、朝鮮、南洋諸島……」 「痛快な人間でございますな」 「海賊....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
よ。おまえと同じようなものを別に造ってみろ、いっしょに悪事をはたらいてこの世界を荒らすだろう! 行ってしまえ! おまえに対する答えはすんだ。おまえは僕を苦しめる....
決闘」より 著者:神西清
るものは手当り次第ぶち毀し滅ぼすんだ。………他の獣の窩へ這い込む、蟻塚をやたらに荒らす、蝸牛を殻ごと噛みくだく。……鼠に出逢えば組打ちをはじめる。蛇や仔鼠を見れ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
師匠の家にも三毛猫が一匹いるが、裏口合せの長屋の猫が質が悪く、毎度こちらの台所を荒らすところから、疑いはその猫に掛かっている様子であります。私は心におかしく、な....
人狼」より 著者:岡本綺堂
せねばよいがと案じています。 善助 その獲物がないというのも、例の狼めがここらを荒らすせいではないかな。 おあさ ほんに此頃はここらへ悪い狼が出るので、日が暮れ....
西航日録」より 著者:井上円了
可取り消しの厳命あり云云。余これを聞き、国字をもって所感をつづる。 今朝の雪畑を荒らすと思ふなよ生ひ立つ麦の根固めとなる 苦にするな荒しの後に日和あり 火に焼か....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
から入れ変り立ち変りだからたまらねえでさ。無作法過ぎまさあ、それに勝手に家の中は荒らす、写真は撮る。いくら何でも辛棒がしきれませんや。」と、また一人の日本の百姓....