» 荒れ

「荒れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荒れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
しいもの影が、雪の夜のぼんやりすさまじく光るなかで、彼の通る路に待ちうけていた。荒れはてた野原の彼方の遠くの窓から流れてくる光が、ちらほらとほのめいているのを、....
初雪」より 著者:秋田滋
っていたが、右のほうには隙間があって、そこからは遠く農園のあたりまで伸びている、荒れ放題に荒れた野原が見えた。間道が一条、柵のまえを通っていた。そこから三|粁離....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
「うん、――昨夜《ゆうべ》夜っぴて煙草ばかり呑んでいたもんだから、すっかり舌が荒れてしまった。」 洋一は陰気な顔をして、まだ長い吸いさしをやけに火鉢へ抛《ほ....
河童」より 著者:芥川竜之介
ゲエル家《け》の客間を飛び出しました。それはちょうど家々の空に星明かりも見えない荒れ模様の夜です。僕はその闇《やみ》の中を僕の住居《すまい》へ帰りながら、のべつ....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
み》ると、楽みにしていた張氏の家というのは、なるほど構えは広そうですが、いかにも荒れ果てているのです。墻《かき》には蔦《つた》が絡《から》んでいるし、庭には草が....
じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
人は、その後いずこへ赴いたぞ。」 吉助「されば稀有《けう》な事でござる。折から荒れ狂うた浪を踏んで、いず方へか姿を隠し申した。」 奉行「この期《ご》に及んで....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
に煮えくり返る音があった。が、彼の心の中には、それよりもさらに凄じく、寂しい怒が荒れ狂っていた。 二十四 やがて足もとの岩は、湿った苔《こけ》になった。苔....
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
る日本風のお堂との対照ばかりでも、悲惨なこっけいの感じが先にたってしまう。その上荒れはてた周囲の風物が、四方からこの墓の威厳を害している。一山《いっさん》の蝉《....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
なかった新蔵が、何と思ったか突然立ち上ると、凄じく血相《けっそう》を変えたまま、荒れ狂う雨と稲妻との中へ、出て行きそうにするじゃありませんか。しかもその手には、....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
始末であるから、羅生門の修理などは、元より誰も捨てて顧る者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、狐狸《こり》が棲《す》む。盗人《ぬすびと》が棲む。と....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の、火中に立ちて、問いし君はも……。 『右の歌を歌い終ると共に、いつしか私の躯は荒れ狂う波間に跳って居りました、その時ちらと拝したわが君のはっと愕かれた御面影―....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
られたる霊魂達から成れる、二つの集団間の抗争である。それ等の霊魂達は、悪鬼の如く荒れ狂いながら、陸続として肉体から離れて幽界へなだれ込む。すると其所には、残忍性....
或る女」より 著者:有島武郎
い肉感的な温《あたた》かみを持ち出して来た。汽車は徐々に進行をゆるめていた。やや荒れ始めた三十男の皮膚の光沢《つや》は、神経的な青年の蒼白《あおじろ》い膚の色と....
或る女」より 著者:有島武郎
さめざめと泣き出した。 戸外のあらしは気勢を加えて、物すさまじくふけて行く夜を荒れ狂った。 「おれのいうた事がわからんならまあ見とるがいいさ。おれはくどい事は....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
のぼんやりした明暗になってしまった。自然は何かに気を障えだしたように、夜とともに荒れ始めていた。底力のこもった鈍い空気が、音もなく重苦しく家の外壁に肩をあてがっ....