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荒原
「荒原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒原の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
石炭を積んで来た。スエズで望んで来た小|亜細亜《アジア》と亜弗利加《アフリカ》の
荒原、ポオト・セエドを離れてから初めて眺めた地中海の波、伊太利《イタリー》の南端....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
その田園の外に拡がる未踏の地を探険すべき衝動を感じた。彼は田園を踏み出して、その
荒原に足を入れた。そこには彼の踏み進むべき道路はない。又|掠奪すべき作物はない。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
そうはく》にして沈鬱極まる面《おもて》にたたえられた白く閃《ひら》めく殺気。白日
荒原の上に、地の利と人の勢いの如何《いかん》を眼中に置かず、十方|碧落《へきらく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
小関のあとでござろうか」 「左様――」 二人がまたここで同時にまよっていると、
荒原の夜気深々たるものが身に迫るのを覚える。 どちらともなしに、 「誰か後ろか....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ぎの日、並木のまばらな田舎路をドライヴして馬家溝に横川、沖ほか四烈士の墓を見た。
荒原の真ん中に高い記念碑が建っている。屍体を発掘したのは碑へ向って右横、すこし背....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
の中に叫んで生人の反響なく、賛成もなければ反対もないと極ってみれば、身を無際限の
荒原に置くが如く手出しのしようがない。これこそどのような悲哀であろうか、わたしが....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
。それから例の娘さんの、受難の地も決して見紛うようなところではなかった。道は広い
荒原を通っていて、一方には荒野原、他方には巨木の林立した、公園を取り囲んだ、水松....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
しれない危険にさらされています。寒さがひどく、たくさんの不運な同僚がすでに、この
荒原たる天地のなかで死んでしまいました。フランケンシュタインの健康も、日ごとに衰....
「西航日録」より 著者:井上円了
たる風致あり。 今日の旅汽車にて走る太平洋 雲烟漠漠望茫茫、水遠村遥鉄路長、露北
荒原闊於海、宛然陸上太平洋。 (雲ともやが遠くつらなり、望めども茫々とはてしなく....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、晴れ。早朝汽車に駕して、ブリズベーン市に至る。途上田野を一望するに、概して赤土
荒原にして、殺風景を極むるが、すべて牛馬の牧場なり。その間に木造トタンぶきの家屋....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
たしても乗換の車を待つため、白木屋の店頭に佇立《たたず》むと、店の窓には、黄色の
荒原の処々《ところどころ》に火の手の上っている背景を飾り、毛衣《けごろも》で包ん....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
、これから吉岡五郎さんを訪問するんですよ。あなたも一緒に行らっしゃい」 夫人は
荒原の女豹が獲物を捕える時のように生き生きとした眼を輝かせながら、私を伴れて外へ....