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荘園
「荘園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荘園の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
のわかんねえやつさなんとでも言わせておけばいいだ。これを見たか」 「見たよ。‥‥
荘園の裏から見た所だなあそれは。山はわし気に入ったども、雲が黒すぎるでねえか」 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
覚えるという始末なので、やむなく宗教裁判副長のエスピノザは、彼を生地サントニアの
荘園に送り還してしまったのだ。ところが、それから一、二ヶ月後に、エスピノザはこう....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
。併し後には、余りに其の寄寓が多いので費用がかさみ、盛んに、その寺領である諸国の
荘園に、用米の催促をして居るのである。諸荘では大いに不満の声を上げたが、此度は是....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の相で、恋の重荷を負いながらその重量に耐えかねて、死んで女御に祟ったという、山科
荘園の幽霊に、象り作った仮面である。 洞窟の中は寒かった。氷のような冷たいもの....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
そこにはぶどうのつるにおおわれたうつくしいみどりの丘がみえました。むかしのお城や
荘園が、みごとに茂った森のなかからちらちらしていました。いろんな鳥のうたいかわす....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
逢いをいたしましてからは、私の心と申しますものは、重荷悪尉の主だといわれる、山科
荘園の幽霊のように、恋の重荷に堪えられずに、嘆いたり恨んだり迷ったり、焦れている....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
時すでにこの系図は信ぜられたりしなり。その藤原氏を冒せしことは、その家代々藤原氏
荘園の地頭たりしによるものか。しかして秀衡、鎮守府将軍たらんとするに及び、その系....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
る。これにももちろん多額の運動費を使ったことであろう。 基衡はまた藤関白忠実の
荘園を管理しておったが、忠実その年貢の増徴を命じて多年悶着を重ねておった。久安四....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
は殆ど農奴の境遇にまで堕落してしまった。全国耕地の殆どすべては院宮社寺権門勢家の
荘園となってしまって、彼らはただそれを耕作するの農奴に過ぎなかったのである。そし....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のとき、マスタア・オブ・アーツの学位を与えられた。青春期は田園で送り、遠い西方の
荘園をあちらこちら移り住んだものだった――ペンブルックシャーのランフェイや、また....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
件を調べたその土地の警察からである。奇妙な事件であった。 そこはバードック卿の
荘園のある高原の静かな土地で、
荘園ではたらく執事が、じぶんの住居に昼の食事にかえ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
りまく貴紳の子弟であるから、官位の昇進を他所に見て、いわゆる世を捨てたところで、
荘園からあがる年貢は何のかわりもなく生活を支えてくれる。それに時代は地方官にでも....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
だしい混乱状態を生じて来た。 朝廷の大官を始めとして、貴族等ひとり専横を極め、
荘園の名の下に天下の田園を壟断して、国政を顧みず、上に見習う地方官は誅求を事とし....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
べきである。 しかし僧兵のことはしばらく別問題として保留し、さらにこれを地方の
荘園村里について考うるに、ここにもまた興福寺領における唱門の如き役務に従事するも....
「濫僧考」より 著者:喜田貞吉
紳の輩は、彼らを目して濫悪の僧、邪濫の輩と呼んでいる。清行自身はとにかくとして、
荘園の名の下に天下の公地を押領し、民衆を苦しめてひとり栄華に耽った当時の貴紳富豪....